ハイキュー

つまり、1番好き
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もう少しで、彼が来る時間だ。


時計をちらりと見た名無しは、読んでいた小説を閉じる。




机の上に小説を置いたとほぼ同時に
1階から、母の高らかな声が聞こえた。

それから、パタパタと自分の部屋に近づくスリッパの足音。


ガチャリとドアを開けて、そこに立っていた彼は







月島「............名無し。」







案の定、何かモノ言いたげな、不機嫌な顔をしていた。




「......蛍!...部活お疲れ様!」




わざと笑顔で明るく言うと、渋々といった様子で部屋に入る。


ベッドに腰掛ける名無しの隣に座るのかと思いきや
その前のカーペットの上に胡座をかいた。






「......話、聞いたげようか?」






月島が部活帰りに名無しの家に寄るのは毎度のことなのだが
不機嫌な顔をして来るのは、その中でもほんの数回。

大抵、疲れていたり、どことなく満足そうな含みのある笑みをしていたり。


まあ、あんなハードな練習をして、疲れないって方がおかしいのだが。






ほんの数回あったこの不機嫌な顔は、部活で何かがうまくいかなかった時。


それを聞いてあげるのも、彼女の役目だと名無しは思っている。








月島「..........いや、別に聞いて良い気分になるもんじゃないし...。」








と、お決まりの素直になれない一言を返す月島。

それが本心からではないのも分かってるし
本当は聞いてほしいのも、ちゃんと知っている。







「..........けーいっ!...............おいで。」







それを知っている上で、名無しは
目の前に座っている月島に向かって腕を伸ばした。



はぁ...と、面倒そうにため息をつきながらも
文句言わずに名無しの伸ばす腕の中に収まる月島。

それを見て、嬉しそうに笑いながら、名無しはギュッと抱きしめる。
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