ハイキュー

大好きな帰り道
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日曜の午後。


部活から帰って昼食を食べた侑は、閉じてしまいそうな目をこすった。






侑「......あかん。......名無し迎えに行かな...。」






ぐっと伸びをして、大きなあくびをする。



侑の彼女、名無しは極度の方向音痴。

どこに行くにも誰かが一緒でないと、たどり着くことが出来ない。



地図の見方も分からない彼女。


今日は午後から侑の家に遊びに来る予定なのだが、侑が名無しの家に迎えに行く。

でないと、心配でじっと待つことも出来ない。








さっさと私服に着替えて階段を降りる。

すると、狙ったかのようなタイミングでインターホンが鳴った。



今日は特に宅配の予定もない。

誰が来るかも、聞いていない。



不思議に思いながらも、侑はドアを開けた。






侑「............はいはい、誰ですk......っ!!??」






ドアを開けた先に立っていたのは、たった今から迎えに行こうとしていた名無し。


ニコニコと満足そうに笑いながら、侑の手を握る。






「...侑ー、来れたぁ。」



侑「......っ、っ!!??」






驚きで声が一瞬、出なくなる。



まさか。

あの極度の方向音痴の名無しが。


1人でここまで来れる訳がない。




侑「........は......お前...お前マジか。」




絞り出したせいで、声は震える。






侑の顔を見て、名無しは眉をひそめる。


握った手をゆっくり緩めて、離す。


その離した手は、侑の頬に添えられた。







「なんで、そないにブサイクな顔しとん?」







侑「ブサイクちゃうわ。」
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