ハイキュー
□似てるから
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久しぶりに彼女の家に来た侑は、部屋に入った瞬間、顔を引きつらせた。
侑「......なんか...増えてへん?」
部屋の中は、ぬいぐるみでいっぱい。
侑の彼女、名無しには“ぬいぐるみ集め”という趣味がある。
ぬいぐるみといっても、特に動物のものを好み、部屋はもはや軽く動物園化している。
一時期、名無しが映画か何かでウサギにハマった。
その時には、5種類くらいのウサギのぬいぐるみが部屋に一気に増えた。
つまり、ダブってはいないものの、同じ動物が何種類かあるのだ。
「......ん??......ああ、増えたよー。」
侑の後ろから部屋に入った名無しは、ベッドに直進する。
「じゃーん!新入りちゃんでーす!」
そう言って、ベッドの上に並べられているキツネのぬいぐるみを侑に見せた。
今回はキツネらしい。
ベッドの上にあるのは3種類のキツネのぬいぐるみ。
よく3種類ものキツネを見つけたな、と侑は呆れながらも一応感心する。
侑「......キツネって...ウチやん。稲荷崎。」
「別に、そこを意識した訳じゃないんだよ。
...まあ......買った理由は他にあるんだけど。」
少しだけ。
ほんの少しだけ頬を染めて、キツネの頭を撫でる。
侑はもやもやしながらも、平然を保った。
侑「......ふーん......その理由、何?
教えてや。気になるやん。」
「......えー...秘密。」
わざとらしく笑う名無しに、侑の“もやもや”はさらに膨らんだ。