ハイキュー
□シンパシー
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影山くんと付き合い始めて、彼の思ってることが分かるようになってきました。
あ、うとうとしてる。
「.......眠いんでしょ。あと10分だよ、授業。」
そう言った時はハッとしたように黒板を睨んでいたけれど、その目は結局閉じられてしまう。
残り10分だったのになぁ。
そんなことを思いながら、また彼のノートに板書を書き足した。
休み時間。
どことなく影山くんがボーッとしている。
.......あ、もしかして。
「チョコあるよ、いる?」
小腹がすいたのかな。
そう思ってチロルチョコを取り出すと、分かりやすく反応した。
2人で小さなチョコを口に運んだ。
何種類か違う味があるから、影山くんはどの味が好き?なんて聞きながら。
日向くんが教室に来て影山くんを呼んだ。
なにやら数分話した後、戻ってきた彼はそわそわとしていた。
「うんうん。ちゃんと聞くよー。」
隣に座って話を聞いて。
やっぱり聞いてほしい話があったんだなって。
そんなことが、頻繁に起こる。
はじめは影山くんの感情にすぐに気づけて嬉しかったけど、よくよく考えるとそれって私が影山くんのことをずっと見てるからで。
ちょっと自虐的に落ち込んだ。
そんな私の内心には気づくことなく、影山くんは
影山「........苗字さん、すげえな。」
と目を輝かせる。
「......なにが??」
影山「俺が思ってること言う前に、分かってる。
......心、読んでんのか??」
「なんでだろうね。
でも、分かってきたかも。少し。」
そう言うとちょっぴり悔しそうに眉間にしわが寄る。
.......うーん、またしても分かった。
「影山くん、私のこと分かろうと無理しなくていいんだよ?」
影山「.........また読まれた。」
「だから違うってー。」
眉間のしわはますます寄ってしまいました。