ハイキュー

深紅の華
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「........っ、ん......痛っ...。」




彼氏であるはじめの部屋で、それなりのことをした後。

緩く睡魔に襲われていた私は、首筋に小さな痛みを感じて目を開く。





岩泉「..............痛くはねえだろ。」



「......チクってする。」



岩泉「...............ふーん...。」





私の髪を弄びながら、はじめはあまり興味がなさそうに返事した。


胸元まで伸ばした髪を指に巻きつけて、さらにくるくると巻いて遊んでいる。

あんまり巻くと、クセがついちゃうんだけどな。

言おうか迷ったけど、私の髪で遊ぶ彼がなんだかかわいくてやめた。




「はじめは痛くないの?
私だって、はじめに付けたことあるよ。」




現に今もひとつ付けてるし。


鎖骨の下あたりに付けた赤い“印”に触れる。

行為中に付けたそれは、薄くてあまり目立たない。

本当は目立ってほしいけど、なかなか消えないものならまあそれでもいいかな、なんて。





岩泉「......あんま痛くなかったな。」





私がこれを付けた時のことを思い出しているのか、はじめは少し考える。

そもそも気持ち的にもハイだったし、覚えていない気もするけれど。




「あ、分かった。はじめはスポーツしてるからだ。
突き指とかするじゃん。チクリどころじゃないもんね、痛み。」




男女で比べるのが間違いだった。
いや、はじめと比べるのが間違いだった。


私はスポーツなんてあまりしないし、怪我だってしない。

それに比べて、はじめは
軽い怪我なんて当たり前!!
って考えなんだから、痛くなくて当然なんだ。





なんてことを考えていたら、また鈍い痛み。



「......ん、ぃた...。」



ちょっと待って。

さっきから何度この痛みを感じてるの、私。






「........ねえ、付けすぎ。」



岩泉「.................いいだろ、別に。」






よくないよ。

そう言ったって、全然聞いてくれない。








岩泉「............目立っていいんだよ、お前のは。」
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