ハイキュー

□意味するのは
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部室で着替えている時だった。

ふと岩泉の方を見た及川が顔をしかめたのは。





及川「......うわぁー......痛そぉー。」


岩泉「............あ??」





わざとらしく口元を手で隠す及川。


どこが“痛そう”なのか分からない岩泉はひと睨みして、着替えを再開しようとする。

が、シャツを着る前に花巻が口を開いた。




花巻「............背中。爪痕すんごい。」




ピッと岩泉の背中を指差して、楽しげに表情を明るくさせる。

興味本位で話に参加したのだろう。


岩泉は、及川が言ったのが背中の引っ掻き傷のことだと知り





岩泉「..............ああ、爪か。」





と、あっさり納得した。


まるでいつできた傷か知っていたように。

いや、実際知っていた。
その証拠に焦る様子も全くない。








現在、部室にいるのは3年4人のみ。


そして全員が全員、理由を一瞬で把握した。

及川はにんまりとニヤけながら、岩泉の肩をポンポンと叩く。





及川「汗とかシャワーとか痛くない?
しみない??しみるよね???及川さんは絶対無理。」



岩泉「うるえせな。」

及川「いや、ヒドっ。」





とはいいつつ。

部室の鏡で確認すると、結構多めに傷がある。


なるほど。
傷が多い今回に限って、バレた...と。


岩泉はさっさと質問に答えてしまえば早く済むと悟った。





岩泉「.........痕ついた時は痛くねえ。
別に汗とかシャワーも、しみねえし。」





他方から「え。」と若干トーンの下がった声音がした。


どういう意味の「え。」だ。


なんとなく及川を見ると、ほんの少し頬が赤くなっていた。







及川「...“痕ついた時は”って......そりゃあテンションハイだからでしょ。
アドレナリンみたいなもんだよ、ほとんど。」






なるほど、確かに。


それに関して、岩泉は異論はなかった。
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