東京喰種
□“特別”は誰
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......アヤトにとっての“特別”って、誰?
アヤト「...おい、名無し。......ヒナミ、見なかったか。」
「........さっき、部屋戻ったの見た。」
アヤト「分かった。」
そう言って部屋を出るアヤトの、遠くなっていく足音に耳を澄ませた。
「..........ヒナちゃんばっかり。」
アヤトが帰って来た時。
『俺の部屋で待ってろ』って。
...そう言われた、気がしたの......。
......違ってたのかなぁ...。
...でも、違ってたなら、言うはず...。
久しぶりに帰ってきたから、アヤト見た時すごく嬉しかった。
最近ね、会えなくてイライラして
ニコに顔が怖いって毎日言われてたんだよ。
帰ってくるの、ちゃんと待ってたのに。
「......よく...分からない。
.............分かんなくなっちゃった。....アヤト。」
...私たち、“恋人”で合ってる...?
......それすら、不安になるんだよ...?
アヤトの“特別”、私だけだって思ってたのになぁ。
「......ずっと...。
ずっと、私がアヤトの“特別”ならよかったのに。」
...最近のアヤトはヒナちゃんのことばかりだから。
でもね、私も、ヒナちゃんのこと...嫌いになれないの。
だから。
2人の距離が、自然に離れてほしい。
「..........なんて。......ただの、わがまま。」
最低だ、私。