東京喰種 

全部、知ってる?
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クインクス班のメンバーが共同生活をしているシャトーの扉の前に立つと
カーテンが開いていたからか、中にいた才子ちゃんが気づいてくれた。


パタパタと走る音がして、すぐに扉が開く。







才子「おおおー!!...名無し!!
もしや、才子に会いに来てくれたんかー??かわいいなぁ、もう!」







にんまりと嬉しそうに笑うその笑顔に
私は、少し罪悪感を抱きながら、遠慮気味に聞いてみた。






「......え、っと...才子ちゃん。瓜江くん、いる?」



才子「......本命はウリか。」






悔しそうに睨まれてしまって、思わず苦笑する。



今日、私は恋人の瓜江くんに
晩ご飯を作ってあげる約束をしていた。

思ったより早く会議が済んで、まだ夕方なのに来ちゃったんだけど...。

チラリと中を見回してみても、瓜江くんの姿は無い。





才子「...ウリは今日、朝から見てないで。」





私の視線に気づいてか、才子ちゃんは申し訳なさそうに言う。


...まあ、早く来てしまった訳だし、瓜江くんにも予定があったんだろう。


そう思って、帰ろうとしたら







小「......いつものジムではないでしょうか。」







才子ちゃんの後ろから、料理をしていたのか
菜箸を持ったままのシャオが顔を覗かせた。




「...シャオ、瓜江くん見たの?」



小「...いえ。...ただ、今日はオフの日なので...。」




捜査官としての仕事が無いオフの日は
瓜江くんは決まって、ジムに行ってトレーニングをしている。


じゃあ、今日もそこに行ってるかもしれないんだ...。





「......ありがとう。行ってみる。」





2人に背を向けて駆け足でシャトーを離れる私に





才子「...名無し、またご飯食べにおいでな。
シャオがおいしいやつ、いっぱい作ってくれるぞ!」





と、後ろから才子ちゃんの声がして振り返る。


ニコニコしている才子ちゃんを見て、その視線を隣のシャオに持っていくと





小「...もちろん。頑張ります。」





やさしく笑って、手を振ってくれた。
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