東京喰種 

□いたずら心2
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ある日。

昼寝をしていた米林は、小腹がすいて1階に降りた。



夕飯の買い物に行ったのか、さっきまでしていた後輩たちの声はしない。

ゲームでもしていた髭丸をシャオが連れ出したのだろう。


......目的は荷物持ちな気はするが...。


夕飯を待つべきか、少し軽食を食べようか迷いながらふとソファーを見ると。



米林「.........おお。」



肩を寄せ合い眠る瓜江と名無し。


瓜江がこうも無防備に眠るのは珍しいし、まずソファーで寝ない。

どれだけハードな1日であっても、共有ルームであるリビングで寝たことなどなかったのだ。

......つい先日を除いて。


前回のうたた寝が最初で最後かと思っていたが、まさかの2度目があった。


一方、名無しは名無しでこれまた無防備に瓜江にもたれかかって寝ている。



恋人さながらの雰囲気。

そして、安心しきった表情で頬を寄せる名無しの姿は見ていて微笑ましい。

...が、米林はにこやかな笑顔を見せた後




米林「......今度は仲良く、2人で才子の餌食になるのかー!」




悪役のような不敵な笑みを浮かべた。







こっそり階段を登り、再びこっそり降りてきた米林の手には油性のペン。



米林「ふへへへへ。」



不気味な笑い方で名無しの目元にペンを持っていく。

そして、丁度そのペンが触れた時。





瓜江「...何してる、米林。」





瓜江がぱちりと目を覚ました。

それを特に気にすることなく、米林は満足そうに名無しの目元からペンを離す。




米林「おぅ!ウリ!!見てみ、これ!」




じゃーん!!!
セルフ効果音付きで米林は両手をひらひらと振った。

ぱちぱち。
何度か瞬きした瓜江は名無しを見て米林を睨む。


名無しの目元には瓜江と同じホクロが2つ、全く同じ位置に書かれていた。






瓜江「...........嫌味か?」


米林「なんでや!お揃いやぞぃ!お揃い!!」






..........ぇ?お揃い??


聞き間違いかと顔をしかめる瓜江を他所に、米林は



米林「ここのな!...見てみ、ウリ!
ここの大きさがポイントや、ほらウリと同じ大きさのここ!!」



と力説する。

自分のホクロなどまじまじと見ないし、まして大きさなど分からない。


それよりも、力説する声が大きいことが気になる。





瓜江「......どうでもいいが名無しが起きる...。」



「..........ぅ、ん......。」



米林/瓜江「「..........!!」」




瓜江が言い終わるより先に、隣で寝ていた名無しが薄く目を開いた。
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