東京喰種 

□能天気
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その日、鈴屋班は会議を終えたところだった。


昼食に行こうか、まだ早いか。


そんな話を机に並べられた菓子を食べている班長、鈴屋什造を囲んでする。

話がまとまれば鈴屋は動く。

それまでは...話がまとまるまではのんびりと待っているのだ。






班員がワイワイと話をする中。

突然ドアが思いっきり開かれた。


環水郎、阿原半兵衛はびくりと肩を揺らして驚く。

それに反して、御影三幸と半井恵仁は特に無反応だった。



ドアが開いたその先に立っていたのは、別の班の名無し。


一見、鈴屋班とはなんの関係も無さそうに見える。

が、しかし。

名無しは半井の彼女であった。





「鈴ちゃーん!ドーナツ1個ちょうだい!」



鈴屋「...えぇー...イヤですー。」





机の上に並べられた菓子を見て、目をキラキラさせる。

そのまま、勢いで飛びつきそうな姿勢をとった。

鈴屋はそれを見て、自分の菓子を守る。





半井「......名無し。鈴屋さんにお菓子を強請るな。」





じりじりと距離を詰める名無しの襟を掴むと、半井は小さめの箱を渡す。

受け取った名無しは中を見てパァッと表情を輝かせた。



「わーい!クッキーだ!!」



なぜここに来たのか。

多分、特に用は無い。


パクパクとクッキーを食べる名無しを、鈴屋は少し羨ましそうに見つめた。





半井「名無し、食べる量には注意しろ。
捜査官が肥えているなんて、笑えないからな。」


環(..........容赦ない...。)





「でも、太る前に恵仁がいつもなんとかしてくれるから大丈夫ー。」


環(........そして全く気にしてない...。)





2人のやりとりを聞きながら、環は密かに心の中で思った。

相性が良いのか、悪いのか。

分かりやすそうで、分からない。


2人が付き合うまでの馴れ初めは、本当に謎なのだ。


聞いてみたいけど、果たしてどちらに聞くべきか。

環は悩みに悩んで、今に至っている。
つまり聞けていない。





阿原「でも名無しさんはスリムですよ。この半兵衛、保証します。」



半井「......おい、阿原。勝手なこと言うな。」
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