東京喰種 

欲の行き場1
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振り下ろしたクインケが確かに肉を裂いたのを感じ、瓜江は一息吐いた。


腹部を切られた喰種が倒れるよを見届けて



瓜江「......任務、これで終了か...。」




と、隣にいた不知に呟くように小さな声で言った。



不知「...え?......あ、ああ。」



突然聞かれた不知は、慌てて状況をひと回り見回して答えた。


普段、瓜江にこういうことを聞かれないからだ。


戦場の状況把握には長けている。
そんな瓜江に聞かれた。

不知はどことなく嫌な予感がした。





六月「ちょ、瓜江くん!??」





六月の声にハッとして顔を上げた不知。

多少よろめきながらも、瓜江が歩き出したところだった。


そういえば、今日会いに行くって言ってたな。


任務後に恋人に会いに行くと言っていたことを思い出す。

同時に、状況把握が間に合わないほど焦って片付けようとしたのだろうと納得する。




六月「......だ、大丈夫かな?
なんだかフラフラしてたけど...。」


不知「けど、怪我っつう怪我もしてねえぞ。」





佐々木「.......っ、みんな!」





遠くなる瓜江を見送っていると、後ろから佐々木の声がした。

不知と六月が振り返ると、慌てた様子でこちらに向かって走ってきている。



不知「さっさん!さっき、うり...。」






佐々木「瓜江くん、見てない!?」






不知/六月「「...........え?」」



不知の言葉を遮る。

佐々木は普段あまり人の言葉を遮らない。
余程のことなのだろう。




六月「う、瓜江くんなら...もう......。」




六月は瓜江が歩いて行った方向を指差す。

指差した方向を見た佐々木は、その先に彼女の家があるのを思い出し




佐々木「はぁ......瓜江くん、赫子掠ってたよね?」




と、もう手遅れだというように落ち着いた声で聞いた。


掠ったのか?


曖昧にしか覚えていない不知だったが、六月がちゃんと見ていたらしく頷く。

だが、掠ったくらいならあまり問題でないはず。

むしろ、クインクス。
そこらの人よりすぐに治るのだ。


そう軽視していた不知だったが、この後の佐々木の言葉に開いた口が塞がらない状態となった。







佐々木「......あの赫子。

もしかしたら“媚薬”の効果があるかもしれない。」







不知「.............は?」
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