愛され猫姫様

□猫姫様
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「落ち着け皐月!‥?皐月だよな‥?」

絶叫する、儂を肩を持ち、なだめる小十郎は不思議な顔で聞いてくる。


『そうじゃ、儂は皐月じゃよ?』


「あはー、とりあえず着るもの用意しないとだし二人をどうにかしないとねー」


助坊もまだ混乱してある様子ではあるがやはり主君を心配している。


『ふむ、なら儂も手伝おうぞ』


「ばっ、その格好で寄るなぁ!!」


『なんじゃ?政坊、せっかく儂が心配してやっとるのに無礼な奴じゃなぁ?』


「な、お前、恥っていうのは無いのかぁ!?」


『恥じゃと?儂はいつもこの姿の様なものじゃよ‥ちと冷えるがな』


小十郎の羽織に袖を通す、もちろん前は小十郎が隠すがそれでも意識してしまう政宗は顔を真っ赤にしている。


「‥とりあえず皐月はここに居ろ俺と猿は政宗様達を部屋に連れて行く」


『‥うむ、わかった』


チョコンと座って主君の二人を抱えて出て行った二人はすぐに戻ってきた。
着るものを持って


「待たせたな、これに着替えてくれ」


『‥うむ、儂は着方がわからないがどうする?』


「なら、俺様が着せてあげるよ皐月」


『‥助坊がか?儂は小十郎が良い』


「はい決定、じゃあ右眼の旦那、旦那達をよろしく」


「お、おう皐月‥猿に何かされたら言えよ?」


「はいはい」


儂の返答を待たずに助坊が小十郎を追い出し部屋に二人きりになる。


『す、助坊‥?怖いぞ‥』


「んー?怖くないでしょー?」


二人きりになった途端ニヤニヤしながらにじり寄ってくる佐助に後ずさりをするが腕を掴まれ抱き寄せられる。


『な、なにを!?』


「なにって、着せるだけだよ、そんなに警戒しないでよ‥俺悲しいよ‥?」


耳元でいつもは聞かない低い声で囁かれ体が反応する。

それに感じたことがない儂は濡れた声を出す。

それをいいことに体を撫で回しながら小十郎の羽織を脱がせる佐助。



『も、もっと普通に脱がせれんのかっ‥!』


「普通だよ?これが俺の普通」


『っ、あっ‥やめっ』


なにも纏わぬ姿になった事をいいことに背筋や鎖骨に指を滑らし、しまいには首元に顔を埋める佐助。

ピリッとした痛みが体に刺激を与える。

「やばい‥夢見たいだなぁ‥ねぇ皐月色っぽいよ」


そう欲情した顔で儂の頬に手を添えて唇が近づいてくる。
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