愛され猫姫様
□猫の昔話
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政宗が猫の自室へとくれば襖をそっと開け、中に入るとスヤスヤと布団に猫の様に丸かって寝ている姿があった。
それにゆっくりと近づき頭を撫でてやるとピクリと反応を見せ起きたのか薄っすらと目を開ける。
『んー‥?』
「よぉhoney、そろそろ飯の時間だぜ?」
目を擦りながら少し体を起こすと政宗が額に口付けを落として何故か横抱きに膝の上に座らされる。
『ふぁぁ。どうした?飯の時間なら行かねば小十郎が怒るぞ?』
「ah〜‥少しだけこうさせてくれ」
横抱きにされても微動だにせずあくびをして首を傾げてやれば少し何か言いたげな顔をするもニヤッと笑い肩に顔を埋めて来た。
よく分からないがとりあえず政宗の首らへんに手を回して頭を撫でてやった。
『‥儂が道場を破壊して気でも参っておるのか?』
「あぁ、まぁそうだな‥そんなところだ」
『‥そうか、すまなかったな』
「嫁にくればチャラにしてやる」
『それはお断りだ』
ヨシヨシと頭を撫でていたのだが政宗が顔を上げて手が届かなくなり首に手を回している様になるとニヤニヤと笑い、頬に口付けを落としながら尻を触ってくるのでその手を抓る。
イテテと言いながらそのまま抱き上げて飯に行くかと聞いてくるそれにうむと頷けば夕餉を用意してある場所に連れて行かれると何故か豪華であった。
『やけに豪華だな‥』
「確かに、いつもより違う」
席に下ろして貰いながら問えば、政宗も不思議に思っていたのか首を傾げているが何かに気付いたのか一人で納得している様子だった。
『どうした?』
「あぁ、いやなんでもない‥食べようぜ」
クスクスと政宗が一人で笑い出した為、何事かと思えば気にするなというように言われ腑に落ちないところがあるが気にせず黙々と食べる。
しばらくすると小十郎が顔を出して酒を持ってきた。
「こりゃあまたいい酒を持ってきたな小十郎」
『ほういい酒か、なら小十郎も共に呑もうぞ』
「いや、俺は‥」
「Button your lip!いいじゃねぇか小十郎、honeyが誘ってんだ断るなよ?」
「ふっ、畏まりました政宗様」
『なら小十郎はこっちに来い』
立ち上がって小十郎の腕を引っ張り自らの隣に座らせるとそれに政宗がhoneyは俺の隣だと文句を言っていたが睨みをきかせて黙らせると小十郎は苦い笑みを浮かべるも頭を撫でてくれて共に酒を飲んだ。
段々酒が回ってくると身体が熱を持ち視界がふわふわとしていい気分で眠くなって小十郎にもたれかかる。
「‥皐月‥眠いのか?」
『んっ、小十郎‥膝‥』
「honey、オレの膝が空いてるぜ」
『いらーん、儂は小十郎の膝を所望しとるんじゃい』
「おいおい、飲み過ぎじゃないのか?」
『問題ないわい』
少しショックを受けている政宗を気にかけつつも小十郎はこちらを心配してくれる。
「‥‥寝るならもう部屋に戻って寝たほうがいいな‥政宗様申し訳ありませんが皐月を自室へと送り届けて参ります。」
「‥おう、頼んだぜ」
そっと小十郎に横抱きにされ自室へと向かう、外に出れば少しひんやりした空気に身震いをし少し身体を寄せるように抱きついた。