愛され猫姫様

□猫と絆
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「honeyはオレの嫁だぁ!!」



「ぬおぉぉ!皐月は嫁にやりませぬうぅ!!」



『いい加減にせんかぁ!!』



ギリギリと獲物同士がひしめいている中、飛び上がり二人の頭に鉄拳を落とす。

二人とも痛そうな声を出せば獲物を落とし頭を抱える。



「ou‥段々honeyの一撃が重くなってる気がするぜ‥」


「た、たしかに‥」



『そうか?いつものようにやったのだがな‥』


「試しにそこの岩でも殴ってみたら?」


頭を抱え少し怯えた表情をする二人、そこに佐助が冗談半分で庭に置いてある中くらいの岩を指差して言う。



『ふむ、そうだな少し試してみるか』



「おい!やめておけ‥怪我でもしたら‥!」


『りゃぁぁ!!』


素振りをしながら構えると小十郎が心配をして呼びかけてくるが気合を入れてそのまま拳を振り下ろすとガラガラと音を立てて岩が砕ける。



『‥ほぅ‥意外といけるものだな』



「‥け、けがは‥‥?」



『ないぞ?』


ふぅと一息ついて周りを見れば皆、唖然としており、ハッとなって小十郎は怪我の心配をしてくるが殴った手の甲を見せてヒラヒラと振ってみせる。



「ま、政宗殿‥某達はいずれ頭蓋を割られかねませんぞ‥」


「Are you crazy‥honeyを怒らせることはやめようぜ‥」



『安心しろ、加減はしてやる』



身を寄せ合ってカタカタと震えている二人に優しく微笑んでやるが今の二人には逆効果で更に怯えて距離を取られてしまった。



「ほら、皐月戻っておいでー足袋が汚れてるよ」



『あぁ、またやってしまった‥』


縁側から見ていた佐助に呼びかけられて近くに行くと抱き上げられて足袋を替えてくれる。



「さぁさぁ、旦那ーそろそろ城に戻るよー」


「おぉ、そうだったな皐月!!」


『うむ、世話になったな小十郎、政坊‥また遊びに来るぞ』


帰り際に見送ってくれた小十郎達は少し寂しそうにしていた。


ーーーーーー


幸村の馬に一緒に乗って武田の城へと帰った。




「幸村あぁぁぁ!」


門をくぐり入ると早々、聞き慣れた声が響き渡り、そこには信玄が仁王立ちで待っていた。


「お館様あぁぁ!!」



幸村は信玄を見た途端、儂を抱きかかえて馬から降ろすとものすごい勢いで走って行った。


そして始まる殴り合い。


溜息をつきながらその様子を見ていたら佐助が背中を押して行かなくていいのかと聞いてきてこの姿で信玄に会うのは初めてなので少し恥ずかしく佐助の手を掴み連れて行くように言えばデレデレとした顔になり手を握り返してきて連れて行ってくれた。
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