目立ちたくない少女はかなり目立っている
□一年生
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今日も楽しい学園生活!
‥と言っても、私は顔も普通だし、スタイルだってかすが先輩並みではないし、髪はよく小十郎さんが褒めて撫でてくれるけど‥肩まであるだけだし‥
でも一応、勉強は出来ているほうで運動神経もそこそこ良いため、クラスの人達から色々と頼まれがちで正直、疲れている。
というか、あんまり目立ちたくない!
とにかく、影でひっそりと静かに学園生活を過ごしてたい!
そう思って放課後、部活動などで声を掛けられないように人が居なくなるまでは図書館に引きこもっていようと思っていたのだが‥‥
「いやー!ありがとう!水無月ちゃん、やっぱり勉強教えるの上手だね〜!」
『い、いえ‥そんなことはないですよー‥アハハ‥』
人目につきにくい所で本を読んでいたはずなのにいとも簡単に私を見つけてきた同じクラスの島左近に只今、2人きりではないが図書館で机を挟む形で向かい合い勉強を教えている所である。
「そういえば水無月ちゃんは部活はしてないの?」
『あー、はい‥ちょっと家庭の事情で部活動は出来ないんです‥』
「へー、そうなんだ〜‥」
はい、嘘です‥帰宅部大志望でーす。
学校終わったらたまに寄り道するけど基本、まっすぐお家帰りたいマンでーす。
家庭の事情と言っても両親海外でマンションに一人暮らしなだけです、はい。
ありきたりだけど静かでいいんですよ?何しても怒られないし。
「お〜い、どうしたの?」
『えっ‥いい、いえなんでもないですよ?』
どうやら、ボーッとしていたようで左近に心配されてしまった。
慌てて、微笑んでそろそろ帰宅時間になる頃なので勉強道具を鞄へと詰める。
「‥ねぇねぇ、水無月ちゃん駅前の○タバ行かない?勉強教えてくれたお礼、させてよ」
『す、すみません‥帰って夕御飯の支度をしないといけないので‥またの機会に‥失礼します!』
鞄を持ってよし帰るぞ!と心の内で喜んでいれば左近からお茶のお誘い。
基本的にそういった人付き合いはした事ないので適当に理由をつけて頭を深々と下げてそそくさと図書館から退散する。
廊下を走ると浅井先輩に捕まるので、なるだけ早足で下駄箱まで向かい無事に靴を履き替えれたが‥次の難所、外で部活をしているあの二人組に捕まらないように帰らなければならない、○ネーク並みのスニーキングスキルはないが周りから見ても変に思われない感じでキョロキョロと出入り口付近で顔を出して外を伺い人気がないことを確認して外へと足を踏み出した。