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□にゃー
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「にゃー」




肘から先を床にぺたんとくっつける。かなり腹筋に来るが、元々それを目的としている。効果がありそうな気がする。




「………にゃー?」
「ぅおわっ!!!!」




訝しげな声が聞こえて、そちらを振り向く。
ニット帽を片手で外しながら、赤井さんがこちらを見ていた。




「おっおおおお帰りなさいませ!!!!?」
「ああ、ただいま。」




慌てて伸ばした体を引っ込めて正座の格好に戻る。
あわわ、恥ずかしい所見せてしまった……!




「………どうした、と聞いてもいいかな?」
「あっいやその、違う、違うんです、」




20歳過ぎた女が妙な体勢で「にゃー」なんて言ってたらそりゃあもう滑稽で仕方ない事だろう。




「その、決して猫になりたかったとかそういうんじゃなくて、」
「さっきの君は猫の様にしなやかだったぞ」
「うわあああやめてください恥ずかしい……」




思わず目を覆ったけど、すぐにその手がやんわり掴まれてそっと剥がされる。
開いた視界には慈しむ様に笑う赤井さんの顔がいっぱいに広がった。
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