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□にゃー
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「で、さっきのは何だったんだ?」
「え?ああ、あれ「猫伸びのポーズ」っていう、ヨガのポーズの1個なんです。」




誰だか忘れてしまったけど、女性の芸人さんがこれを10日間続けてウエストが落ちただとか、体重が減っただとか、ホルモンバランスが良くなるんじゃないのかとか、等と少し前に有名になったらしい運動法だ。
お腹だけを鍛えることが出来る、という言葉に誘われて私は動画を流しながら実践していたという訳だ。




……ちなみに、あの「にゃー」も、息を吐き切るために必要な工程です。




「なるほどな。」
「まあ物は試しって事で、とりあえず10日間。」
「ほう。」




それにしても、赤井さんの口から「にゃー」が聞けるとは思わなかった。
正直すごく可愛かった。




「驚いたぞ、帰ったら愛しいお姫様が猫になっていた」
「忘れてぇ!こんな早く帰ってくるなんて思ってなかったからぁ……!」




赤井さんに聞かれた日には何言われるか分かったもんじゃないぞ、とこっそり始めようと思っていたのに。
まさか初日で見つかってしまうとは。




「可愛い君に会いたくてな。早く仕事を終わらせてきたんだ」
「そ、そうでしたか………ははっ、」




乾いた笑いが零れた。さて気を取り直してお帰りなさいと言うかな、と赤井さんを見た時。




「さて。」
「へっ?な、なに?何?さて、って? 」




腕をぱっと取られて、踊る様にベッドへ連れていかれる。
えっなに?何で?と目をぱちくりさせていると、赤井さんが意地悪げににやりと笑う。
う、うわあ人相悪いなあ……。




「次は俺の上でにゃあにゃあ鳴いてもらうとするか」
「はっえっ、赤井さん、ちょっと、まって、」
「いや、もう待てんよ。」




結局赤井さんの手でにゃあにゃあ鳴かされたし、ヨガのポーズやるよりもとてつもない運動させられた。








(次は猫の耳でも買ってくるか)
(いらない……そんなのいらにゃいぃ………っ)
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