七つの大罪

□6話
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〜メリオダス side

「バステ監獄と死者の都な。
当たってみるわ」

「なるほど。
仲間の居場所を聞き出すために私の技をわざと受けたのか…」

「続きはまた今度な。
ところで、名無しさんは見てねぇか」

「…そいつも生きていたのか」

…やっぱりしらねぇか。
おい、どこいんだよ。

早く、来いよ。

そう言ってもひかないギルサンダー。

そのギルサンダーをディアンヌが掴み遠くへ飛ばす。

「ありがとな、ディアンヌ」



「きゃ!!!!!」




「エリザベスの声だ、行くぞ!」

「う、うん!」




エリザベスの声の方へ行くとそこには名無しさんがいた。

でもー

「名無しさん!久しぶり!」

「ディアンヌ、近寄るな!」

「え?」

名無しさんは剣でディアンヌに斬りかかろうとした。

「どうして…」

「私とホークちゃんにも同じことをしました…
呼びかけても反応がないんです」

『…許さない…
絶対に…』

様子が、おかしい…
何かに操られてる…?

でもどこかで見たことがある。

フラフラで歩く姿。
目はどこか虚ろで。

『…また、守れなかった…』

「…!!!!」

そう言って目の前にいる俺に向かってきた。

「メリオダス様!!」

エリザベスが叫ぶ。

でもこいつには聞こえない。

『許さない…!!』

なんとか受け止めたが、反撃はできない。
でも名無しさんの攻撃は強くなる一方。

「名無しさん目を覚ませ!」

このままだとまたこいつは、あの日のように。

せっかく出逢えた。
また一緒にいられる。

俺はそれを手放したくない。

『何、言って…』

「俺はここにいる!!!
エリザベスも生きてる!!!

お前はちゃんと守れてる!!!!」

こいつはまた何も守れなかった自分を嘆いてる。

『うそ、だ…
私は…』

剣を握る力が弱くなったところを剣ごと抱きしめる。

「ほら、俺はここにいるだろ」

名無しさんに届くように。

「名無しさん!
私もここにいます」

エリザベスも。

「名無しさん…ボク、久しぶりに会えて嬉しかったよ…」

ディアンヌも。

大丈夫。
みんな、ここにいる。

カランっ

剣が落ちる音。

そして俺を握る。

『メリオ、ダス…
いる…』

「ああ。俺はここにいるよ」

『…あうう…』









「落ち着いたか?」

『すいませんでした…』

「何があった?」

『多分、魔導師か何かに騙されたのかな。
知りたくなかった気持ち、不安な気持ちを煽られて自分を保てなくなった』

「そっか」

『でも、もう大丈夫、ありがとう』

「名無しさん、本当にボクのこと覚えてない、の…?」

『あ、ごめんなさい…
10年前の記憶がなくて…』

「そっか…
ボクはディアンヌ。
君の友達だよ」

『よろしくね、ディアンヌ!』

「さてさてさーて、仲間も見つかったことだし向かいますか!」

『うん!』
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