七つの大罪

□8話
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「おわわわっ!
あいつら…互いを聖騎士だと思い込んでんのか!?」

ディアンヌとメリオダスの攻撃は止まらない。

「二人とも、もう
やめてーー!!!」

え…

「あ…れ?
王女…さんに、ホーク…名無しさんも…

いつの間にそこに…?
団長は…?」

元に、戻った…?

「聖騎士は?」

「そういえば」

二人とも、お互いが見えてる。
これは、一体…

「大っきいお姉ちゃん、大丈夫ー!?」

先程助けた小さい子がディアンヌに近寄る。

「あれ…バステに行く途中で会ったちびっ子。
まだこんな所に?」

「うん!」

すっとディアンヌから目の色が消える。

「お…お姉ちゃん、どう…したの?」

『離れて!!』

「またみんなを隠したなー!!!」

そう言って再びディアンヌとメリオダスは攻撃を始める。

『どうして…』

エリザベスの声で元に戻った。
でもそれまでは何かに操られてる。

一体何に…

「大丈夫!!
私がこの身に代えても…
守ってみせます!!!」

『エリザベス…』

「なんて民想いの王女様…
でもその言葉どこまで本物かしら?」

現れた鎧が鞭を振る。
そうすると木から大量の虫が出てきた。

『聖騎士…!!』

「さあ、キャワいい、アタシのクソ虫共!
強固な角と鋭い羽で肉を切り裂け!」

「うわぁぁん!こわいよー!!」

虫の大量の動きに子供は大声で逃げ回る。

「まずはこのギャアギャアうるせえガキ!
死ね!!」

『させないっ!!』

虫が子供に向かう前に子供を抱き抱える。

『…っ!!』

「あっ!!」

虫の羽と、角が…

「えーと、
この身に代えでも守ってみせます
だったかしら?

口ではカッコいいこと言っても心ん中じゃ誰かの助けを期待してるんでしょお?」

「ひでぇやつだ…
エリザベスちゃん!?」

エリザベスはまっすぐこちらへ向かってくる。

「ま…まじ?」

『エリ、ザベス…
来ちゃ、ダメ…』

「私…約束しましたよね。

たとえあなたが死んでも…
私が一人ぼっちになったとしても…

王国と人々を聖騎士たちから守る…って」

エリザベスも虫の角と羽で傷だらけになる。
それでも揺るがずにまっすぐこちらへ来て。

そして子供ごと私を抱きしめる。

『エリザベス…』

虫が離れて行く。

『エリザベス、大丈夫…!?』

「名無しさんこそ…」

『私は全然大丈夫だから…
だって私は…』

「言わないで。
ぼく、君も怪我はない?」

「フム…こんな子供すら身を挺して守るとは殊勝な心がけよ…

…だが現実は残酷じゃ」

「え…」

『…!!』
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