七つの大罪

□9話
1ページ/7ページ

『…うーん、よく寝た』

「おはよう、名無しさん」

『…え?』

な、なんでメリオダスが私のベッドに!?

「覚えてないのか…昨日色々あったことを」

『それで色々出来るわけないでしょ』

布団をめくると出てきたのは縄でぐるぐる巻にされたメリオダスの身体。

『いまほどくね』

「ああ、優しく頼む」

『強くやるわ』






「サンキューな」

『本当に何もしてないよね』

「さあ、どっちでしょう」

一発メリオダスを殴る。

「何もしてません」

『さて、ご飯作るか』






「おはようございます、メリオダス様、名無しさん」

「おはよ」

『おはよー!
傷はどう?』

「だいぶ楽になりました」

『そっか。よかった。
バン起こしてくる』




『バンー!!
朝ごはんだよー!』

部屋の前で呼びかけても返事はない。

『入るからね!!』

部屋に入ると床で寝ているバン。

『落ちたのか』

「エレ…イン…」

…エレイン?
誰だろう、それ…

「あ?」

『おはよ、バン』

「お前か」

『誰と間違えたの?
エレイン?』

「なんでその名前!」

『寝言で言ってた』

「…そっか。
あいつはー」

『バン、朝ごはんだよ』

「聞かねえのかよ!!」

『だって話したくないこと話させてもね。
聞かれたくないことだってあるだろうし。
ほら、降りて食べるよ』

「団ちょのご飯なんか食べれないわ」

『私が作ったんだけど』

「それは食べる」

誰にだって話したくないことくらいある。
それは痛いほど知っている。

だからメリオダスは大事なことを教えてくれない。
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ