短編
□雪の日
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「あ・・」
「雪だ・・・」
寒い夜、家康の出迎えの為玄関口に向かう途中で雪がちらつく
お部屋暖かくしておいてよかった
そろそろ帰って来る時間よね
「殿のお帰りです。」
「おかえりなさい。家康」
「ただいま・・」
いつものように私を見ようとしない家康
今日はそのカールのかかった髪に雪が乗っている
その雪を払おう背伸びをして手を伸ばす
髪に軽く触れると雪がはらはらと落ちる
その様子を家臣の人がにこやか見守る
「殿、私はこれで・・」
家臣の人が居なくなってやっと家康が口を開く
「出迎えはいらないって言ったよね?」
「ええ。でも、早く会いたくて///」
「・・っ//」
「風邪引くと面倒だから、もうやめなよ」
スタスタと一人部屋に向かって歩き出す家康
流石にこの言い回しなれたけど・・・
黙って少し後ろからついていく
数歩歩くと直ぐに立ち止まり振り返る
「おいで」
手を差し伸ばす
////////
私も手を伸ばして家康の手にてを重ねる