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□In Side You 2
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「理鶯さーん!今日も泊めて下さーい!」

「理鶯さーん!初めまして〜!」



最近つるむようになったギャンブル仲間のハル。
運はそこまで悪くないが、女なのに俺と同じで一文無しになる時もある。

今日も有り金全部すって横浜の森で暮らしている理鶯さんの所へ行くとハルもついて来た。




「…一人ではないのか?」

「はい!俺と一緒に一文無しになったハルです」

「ハルです。帝統くんの友人です!」



テントから出て来た理鶯さんがハルを見て驚いていたので軽く説明すると「そうか。程々にな」と頭を撫でられていた。
懐くと犬のようで可愛がりたくなる奴だが、あんまり誰にでも懐くなよと言いたい。



「では小官がご馳走しよう」

「ありがとうございます!」

「お手伝いしまーす。何作るんですか?」



理鶯さんの後ろをちょこちょこついて歩くハルを気に入ったのか、豪華な食材を出してくれた理鶯さん。
手伝うと言ったハルに「危ないから大丈夫だ。見ていてくれ」と俺の横に座らせた。



「大丈夫ですよ〜。そんなに得意じゃないけど料理出来るし」

「お前が料理してる姿とか全然想像つかねぇ」

「ちゃんとしてるよ!意外とね!」

「……食えるんだろーな?」

「帝統くん、失礼だな。幼馴染は美味しいって言ってくれるもーん」

「は?幼馴染?」



ハルに幼馴染が居るなんて初めて聞いた。
つか、コイツが何処の誰なのか、どういう奴なのかとか全く知らない。
まあ、俺もそんなに話してないけど…。

驚いた俺が面白かったのかケラケラ笑ったハルは「きっと知ってるよ〜」と言って顎に人差し指を当てると閃いたとばかりに手を叩いて「じゃあヒントあげるね」と何故かクイズ形式にしてきた。



「帝統くんは縁があるんじゃないかな〜」

「ギャンブラーか?」

「あはは、あの人がそうだったら私がマトモだったかもね!真逆だよ。めちゃくちゃしっかりしてる」

「ギャンブラーだってマトモだろ!」

「あーうんそーだね。うーん…後は高身長のイケメン!」



適当にあしらわれた気がするけど次のヒントを聞いて頭はもうその事だけで一杯になった。
俺に縁がある高身長な奴?
乱数も幻太郎も論外だし、残るは料理を作る目の前の人物のみ。
え?お前、理鶯さんの幼馴染なの?
本気でそう思って理鶯さんの名前を挙げると「初めましてだよ〜」と笑われた。
じゃあ誰だよ!



「だぁぁ!もう分からねぇ!」

「じゃあ最大のヒントね。リングネームがあります!」

「…リングネーム?」

「そう!真面目そうに見えて意外と恐ろしい」



リングネームのある奴なんて知らねぇけど。プロレスとかでの賭けはやらねぇし…俺に縁がある格闘家なんて居たか?



「…マジで分からねぇ」

「ええ〜ちゃんと考えた?」

「思い返せる所まで思い返したけどそんな知り合い居ねぇな…」

「じゃあ帝統くんの夕飯のおかず貰うね」

「はぁぁ!?聞いてねぇぞ!」

「今決めた!」

「ちょっと待て!絶対思い出す!」

「タイムリミットは理鶯さんが料理を作り終えるまで!」

「あああー!理鶯さん!ゆっくり作って下さい!」

「残念だがもうすぐ完成だ」

「卑怯だぞ!ハル!」



ケラケラ笑うハルは絶対知ってるって〜と言いながら本当に俺のおかずを1つ食べやがった。

くそ!誰だよ、リングネームなんてある奴!








▽ ▽ ▽


おまけ



「ねぇねぇ、先生ってリングネーム何て言うの?」

「……リングネーム?」

「そう。ラップバトルの時に紹介されるんでしょ?」

「ああ、MCネームかな?」

「……え?」

「ふふ、リングネームでは格闘家になってしまうよ」

「………(やべ、帝統くんに嘘ついちゃった。だから全然ピンときてなかったんだ)」

 
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