夢を語って、青に堕ちる
□第1章
1ページ/7ページ
口の中は鉄の味、何か頭ん中がポワポワしてる。
手足も言う事を聞かない。
何も聞こえないのは、耳がおかしいのか、ただ静かなだけなのか。
でも、手は温かい人の手で包まれてる。同年代の人の手だよね、大きさ的に。
皆んな、いるかな?
目を開ける
ああ、ドライアイに照明の光がすごくしみるね。イターイ。
病院でも、保健室でもない景色。和風の低いものじゃなく、洋風の高ーい天井が広がっている。世界遺産はこんな感じなんだろうな。きっと。
「あ、カノンちゃん!起きた?い、痛いところは?!」
「身体中傷だらけってどういうことよ、カノン。流石に怒るわよ。」
「なあなあ、トウヤ、やっぱ俺たちいるところ、日本じゃねぇよな。」
「おい、部長、落ち着け。まず今は、我らの裏ボスが起きたことに気付け。そして、心配してるような声して興奮すんなアホ。顔に出てる。」
「や、やっぱり巷で噂のトリップかなこれ?!ほ、本当にそうなら、僕たちすごいことに巻き込まれるんじゃない?!」
ああ、皆んないるけどいつも通りすぎて何も言えない。
いや、それ以上に内容の後半部分がだいぶ突っ込みどころありすぎて。
「みず、な゛い?」
声がやばい。喉に血がへばりついて気持ち悪。グウェ
「わかったわ、カノン、水が欲しいのね。あ、喉が大変そうね。………英語で水が欲しいは何でしょうはい、イツキ!」
「アイ ウォント ア カップ オブ
ウォーター!」
「多分それ!さあ、行くわよ!」
ドタドタドタバタ
大丈夫かな、あの五人。
英語圏の人に、あれは通じるのか?
いやまて、英語圏の人はなぜここにいるんだ?
日本じゃないってそういうこと?ってか、誰かと会ったのね。