夢を語って、青に堕ちる

□第1章
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さすが僕たち!やっぱり何でもやれるね。

ちょっとした隙をついてこっちへ来たMr.スネイプと合流し、レンガの壁の前へ。ちょっと待っていたらカノンも来た。イェーイとハイタッチする。

呆れて見ていた先生は、ひと段落ついたのを確認し、杖で壁を叩き始めた。
コンという音が、何度か繰り返されると、彼は二、三歩後ろに下がった。僕らも下がる。

ゴゴゴゴゴッと音を立て、レンガの壁が横にずれていく。その先にあるのは、僕らが実際に見たことがない世界。

『ようこそ、魔法界へ。』

Mr.スネイプがこちらを向いて、決めゼリフ?を言った。Mr.ダンブルドアに言ってあげなさい、とでも言われたのだろうか。

左からサキ、アオイ、カノン、僕、トウヤ、ショウマと並んで見ていたのだけれど、みんなうわぁとかおおって感動している。

そう!僕たち、魔法使いの卵なんだ!





『店員さんには、ダイアゴン横丁ではなくって、外に行ったのだと言ってもらうよう頼みました。メモを飛ばしたんです。ああ、黒い髪の人は、ここを殴っておきました。手の裏で。』

キョロキョロと周りを見渡しながら転びそうになりつつ、Mr.スネイプに説明をしているカノン。え、手の甲で喉仏を殴ったって今言ったよね?!い、痛いよそれは。
って、あんなところに箒が!ショーウィンドウに飾られてる!かっこいい!

時々立ち止まり、Mr.スネイプに引きずられながら僕たちは進んだ。だってだって!全部初めて見たものなんだから、見て回りたいんですぅ!あ、ほら!なんかあのお店、楽しそうな外見じゃないですかぁ!

Madam Malkin's Robes for all Occasions、と書かれたお店に入るぼくら。ローブって書いてあるから、お洋服屋さんだね。

『おやおや、団体様ですね!Mr.スネイプ、彼らは?』

だいぶ体型がふっくらして、薄紫というか、藤色?の服を着た人が話しかけてくる。

『日本からの留学生だ。日本での服しか持っていないので、普段着とローブをお願いしたい。』
『そうでしたか!ええ、ええ、そんなものお安い御用ですよ。ささ、まずはお坊っちゃま達からサイズを測りましょうか。大丈夫、立ってるだけですからね。そう、ここにね。一人一人オーダーメイドですからね。ローブは私たちの必需品なのよ!ああ、生地はいかがなさいます?』
『一般的なもので済ましてくれ。会計は個別で払う。』

所々聞き取れるような、ないような。男子三人が台に立たされ、勝手に動くメジャーが腕やら足やら、いろんなところのサイズを測っていく。魔法ってこんなところにも使われるんだぁ。

『普段着とローブはそれぞれ何着にいたします?』
『ローブは二着で十分だ。』
『普段着は三、四着ぐらい要りますかね。どんな服なんですか?』
『そうね、女の子用の普段着はこんなの、男の子用の普段着はこんなのね。あら、ちょうど終わったわね。さあ、お坊っちゃま達、お嬢さん方と交代ですよ。』

メジャーが動かないのに気づいた店員さんは素早く女子達と交代させる。て、手馴れてる。流石プロ。

魔法界の普段着って、魔法使いの服って感じが溢れ出てるんだね。
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