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□海南大付属高校
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「ここね……」


海南大付属高校。


門の前に印字されてある名前を見て、私は息を吐く。




緊張はしていない。
ただ久々に日本へ来たため、日本語が覚束ないのと迷子になりやすいという欠点を除けば今のコンディションは最高とも言えるだろう。



しかし、まあ。





「目立ってるかしら?」


門の前に立ってるだけなのに、ジロジロと通りすぎる生徒達に見られている。


物凄くやりにくい。
注目されるのは苦手だ。


しかし、今の自分の容姿を考えれば普通なのかもしれない。


ド金髪だ。
いや、これは地毛なんだよ?
父さんが米国出身のネイティブだからね?


ハーフというのは米国にいても、こちらに来たとしても厄介なものだと溜め息をまた吐く。




立ち止まってる私に後ろから声がかかった。





「門の真ん中に立ってると、邪魔だぞ?」


振り向くとそこにいたのは、教師の男性だろうか?



「すみません……」


「見たことない顔だな。転校生か?」


「そうです。マリア・テイラーといいます」


「外人にしては、日本語が上手いなあ」


「母が生粋の日本人でして」


会話が弾みながら、高頭と名乗った彼が職員室まで案内してくれた。


彼は男子バスケット部の監督らしく、16年連続優勝を飾ったことがあるという高校の自慢をつらつらと重ねていた。



───…バスケット部か。


私も郷里ではよくバスケットをやっていた。
大好きな種目の1つだ。


ただ、日本のバスケットにはあまり興味は持てなかった。



「あいつが日本のバスケも楽しいとは言ってたけどなぁ」


「ん?何か言ったか?」


「いえ」


それはまあ、追々また考えるとしよう。



職員室まで連れて来てくれた高頭監督に感謝の言葉を伝えてから、彼と別れた私は担任であろう女性に2年3組に連れていかれた。
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