みどりいろ。

□親友だから…。(理佐×志田)
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pm 11:15

今日の分の課題を終えて一息ついていた。

もう寝ようかな...とか思ってる時。

プルルル…


電話がなった。

こんな夜に誰だよ...と少しイラつきながらスマホをとる。

表示されていた名前を見て、すぐに出てしまうのはそれほどあなたのことを想っているからだろうか。



「愛佳?どうしたの?」


「りさ...あのね、、ファミレスにいて...」


「すぐ行く。待ってて。」


泣きそうな、そんな声で言われたら断れるわけがない。まあ断る理由もないけど。




この辺りにこの時間でやっているファミレスは1件、駅前の所だけだろう。


歩いて10分ほどの道のり、少しの時間も惜しくて走って向かう。





走ったためか、5分ほどで着いたファミレス。


上がった息を整えつつ中に入ってその姿を探す。


「愛佳。おまたせ。」


「りっちゃん...」


あなたは何も言わずただ泣いてるだけ


「今日は泣きな。涙が枯れるまで付き合うからさ、」


「うぅ...」


「...茜となんかあった?」


小さく頷くあなた。

そしてまた体は小刻みに震え出す。





どれだけそうしていただろう。

ドリンクバーも2回ほどお代わりし、3杯目のコーヒーが冷めかかっている。

あなたは少しだけ落ち着きを取り戻したようで申し訳なさそうにこちらを見ていた。


「理由は聞かないけどさ...電話...してあげなよ」


「...」


「茜だってきっと落ち込んでるから」


「うん...」


「もう大丈夫...??」


「だいぶ。りさありがと...」


あなたは少し微笑みながらこちらを見る。

そんな顔にドキッとしてしまったことは私だけの秘密だ。


「愛佳いこ。明日ちゃんと仲直りするんだよ」


そう言いながら二人分の会計をすませる。


「あ、りさ、お金...」


「あー、今回はいいよ。でも明日仲直りしなかったら今度3回奢ってもらうからw」


「ありがと...」




店を出たあと少し歩いてると俯いてるあなたがふと呟いた



「ごめんね...」


「ん?」


「あの、りさが泣かせたとか思われてたかも...」


「そんなこと気にしなくていいのに」


「...」


「だってさ?親友でしょ?」


「ありがと...りさほんとだいすき...」



大好きとか...言わないで

この想いが溢れてしまいそう。


「あのさ、愛佳。」


立ち止まって小さな声でそう言うと不思議そうに振り向くあなた


「ん?、どうしたの?」


「っ...愛佳ってさいつも勝手だし色々急だし」


「...」


「でもさ、私とかちゃんと頼ってよねこれからも」


「...りっちゃん...」


「私はいつでも愛佳の味方だから...」


「ありがとう...」




今はこの想いを伝えることは出来ない。

あなたには素敵な恋人がいるし、何より私が臆病だから。

もし想いを伝えてこの関係が崩れてしまったらと考えると...

どんなに自分が辛くなったとしても、私のこの想いは届くことがないって分かったとしても、

幼馴染のあなたを放っておくことは出来ないんだ...

あなたの幸せが私の幸せでもあるから。

だってあなたにとっては...





「りさが親友でよかった...」

「ほんとだよ。愛佳のこと支えれんの私ぐらいじゃん。」

「ありがとね...」

「...うん」





私はただの親友だから...
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