ポケモン(長編)キバナ

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早朝…
いつも俺様が起きる時間になるとパチっと目が覚めた

机で寝ちまったのか…
…やらなきゃならねー事や考えなきゃいけねー事が多過ぎてちゃんと寝れた感じがしねぇ…

とりあえず、ジム行って仕事やらねーと…
…リーグ委員会のこともあるからジムリーダー全員に昨夜、召集もかけといたしな…

ムゲンダイナのことも気になるが…
…アイツ、めちゃくちゃデケェからな…汗

…流石に家の中ではボールから出せねぇ…
スタジアムに行ってから話してみるしかないぜ


「ダンデ…寝相悪過ぎだ…」


俺様の大きいベッドで眠っているサクラ、ダンデ、ホップに目を向ければ…
…ダンデだけ体勢が逆になっていた汗

おまけにホップの顔面に蹴りが入ってるし…
…つーか、ホップもよくそんな状態で爆睡していられるな?汗


「ん〜…だっこぉ…」


そんな騒がしいベッドでは寝心地が悪かったのか、顔をしかめながら起き出すサクラ

…うっすらと目を開けて俺様に向かって短い腕を懸命に伸ばし、抱っこをせがむ

もちろん、断るわけが無い!
そんな可愛い事をサクラにせがまれれば俺様の疲れは一瞬で吹き飛び、ヘラっと緩んだ顔でサクラを抱き上げた


「おはよう、良く眠れたか?」


「うん!
…でもサクラ、キバナと寝たかったの…」


ズッキューン!と俺様の心臓目掛けて飛んできた言葉に俺様はひたすら悶えた

な、なんつー破壊力…!
俺様の名前も覚えてくれてたのか…!
…今夜は絶対に一緒に寝よう…


「…今夜は俺様と寝ような?」


まだスヤスヤと夢の中にいるホップとダンデを部屋に残して、俺はサクラを抱っこしたまま1階に降りる

自分とサクラの身支度を済ませれば、ソファにサクラを座らせた

…朝食を作りたいんだが…サクラから目を離すわけにもいかねぇし…

俺様が悩んでいるとザマゼンタが降りてきて、サクラの目の前に座り、まるで子守をするかのようにサクラを構い出した

…ザマゼンタ…優秀だな
おっと!今の内に朝食を作っちまわねーと…!

…ダンデが起き出したら朝食を作るどころでは無くなるのが目に見えて、手早く朝食の支度をする俺様

きのみを混ぜたフルーツヨーグルトとベーグル、サンドイッチ、目玉焼きなどの簡単な朝食を用意した

…が、ここで俺様がリビングに目を向ければ…
ザマゼンタと遊んでいたはずのサクラが居なくなっていた…!


「サクラ…?!」


ゾッとして慌ててサクラを探すも俺様の家は大きいし、広い…!そんな中から小さい女の子を見つけるのは、なかなか大変で…

失敗したぜ…!
…サクラから目を離すんじゃなかった…!汗

朝から家中を走り回って小さいサクラを懸命に探し回る俺様…


「居たー!!何処に行ってたんだよ?!
…心配したじゃねぇか…!」


探していると廊下をてちてちと歩くサクラを発見してホッと胸を撫で下ろす
…心臓が止まるかと思ったぜ…


「トイレ!」


心底、心配していた俺様の様子が分からないサクラはキョトンとしながらトイレに行っていたのだと笑顔で答えてくる


「…え、もう場所覚えたのか?
つーか…1人で出来んの?」


3.4歳くらいの子供なんてもっと手がかかるもんだと思っていたが…
…サクラはそんなに手がかからない良い子だし、子供にしては成長が早いような気もする…

…幼いとはいえ、お嬢様育ちしてるせいか?

はぁ…俺様、ポケモンばっかりな生き方をしてきたから子供なんて正直、よく分からねぇ…
…いつ元に戻るかも分からねぇから、子育てについて勉強しておいた方が良さそうだ…


「ん…?この音は…」


ドタバタと激しい足音が2階から鳴り響いてくる

…そして廊下でサクラを抱き上げていた俺様に向かって体当たりしてきたのはダンデだ


「キバナ!お腹空いたぜ!」


寝癖で頭が爆発しているダンデの第一声は朝飯の要求だ…

昨日から飯ばっか要求してくるな…
…今は胃が小さいからすぐ腹が減るのか?


「飯の前に先に顔洗って寝癖直せよ…
ほら、こっち来い!」


俺はサクラを片手で抱っこしたまま、もう片手でダンデの手を引いて洗面所へと連れて行く

…落ち着かないダンデの身支度を手伝いつつ、サクラがまた何処かに行ってしまわないように注意して目を見張る

リビングに戻って用意した朝食を3人で食べていたんだが…(俺がサクラに食べさせているが…)

…一向に降りてこないホップに違和感を感じた


「ダンデ…ホップが降りて来ねーんだけど…
…2階で何やってんだ?」


「寝てるぜ!」


大きく口を開けてサンドイッチを頬張るダンデに尋ねれば…ホップはまだ寝ていると言うので本日1回目の最大な溜息が出る


「…ザマゼンタ、ホップに噛み付いてこい」


普段なら絶対に俺様の言うことを聞かないザマゼンタだが…今日は流石に空気を読んだのか、大人しく2階へと上がって行った

そして…


「いっ…てぇーーー!!」


…ホップの悲鳴に近い叫び声が家の中にこだまして響き渡った…
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