ポケモン(長編)キバナ

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あー…サクラが出迎えてくれるの久々だし、すんげぇ癒される…
お帰りなさいって、ホント良い言葉だよなぁ…

おまけにサクラのこの可愛い笑顔!
…文句無しの100点満点だぜ!

散々ダンデに説教という名のかみなりを落としていた俺様は正直、イライラしてたんだが…
家に着けばサクラが笑顔で出迎えてくれたからつい顔が緩んじまう

…ちなみに隣でげっそりしているダンデは俺様の説教と書類の片付けをやっていてホテルを予約し忘れたらしい…
だから仕方なく俺様の家に連れてきた…

はぁ…
…サクラと2人っきりになれると思ったのによ…


「ダンデ、今日は家に泊まるけど…いいか?」


「私はもちろんOKですよ!」


サクラにダンデが泊まる事を伝えればもちろんOKだとにっこり微笑まれた
…いや、サクラの事だから断ったりしないのは分かってたけどよ…
そんな満面の笑みで了承されるとなんか…
…モヤモヤしてきちまうんだが…


「サクラ…君にも俺の仕事を手伝わせてしまってすまなかった…
…キバナにかなり絞られたよ…」


「当然だろ!…ったく、明日にでもあの書類の山、なんとかしろよな…」


あんな書類の山々が執務室を占領してた上に俺様のジムのトレーナー達を残業させたんだから怒るに決まってんだろ!
…少しだけあの仕事量に同情もしたが…


「あ!今日はカレーを作ったんですよ?」


「夕食まで作ってくれてたのか!
…いつもありがとな」


サクラが夕食にカレーを作ったのだと言えば、頬が緩む
確かにキッチンの方からはカレーのスパイスの良い匂いが漂ってきている

今日は一日中、あちこちへと動き回ってナックルシティの様子や、ダンテと地下プラントへと見学と称して出向いたりしていたから体は疲れていたし、腹だってもちろん空いている

…いつも家に居る時は率先して家事をやってくれるサクラに申し訳ないなと思いつつ、俺の為にだって分かっているから嬉しくて仕方ない

リビングに移動してサクラのお手製カレーを口に頬張る
…味わって食べる俺様とは反対にダンデはとにかく食うのが早ぇ…汗

ダンデはチャンピオンで多忙だから早食いが身についちまったんだろうな…


「ダンデさん、口元にカレーが付いてますよ?」


ふふっと笑いながら指摘したサクラはダンデの口元に着いているカレーを当たり前のように拭き取る


「す、すまない…!」


ダンデはサクラに口元を拭かれれば、恥ずかしいやら照れるやらで顔が真っ赤になっちまっていた
…そして俺はその光景に持っていたスプーンを落としそうになるわけだが…

…あー…ダンデが泊まるって言った時に喜んでたのもそうだが…
サクラの奴…ダンデと距離近過ぎねぇか?

…俺様が目の前に居るっつーのに…

腹の奥からムカムカとした感情が湧き出てきちまって、俺はサクラのカレーをさっさと食べると席を立ち上がる


「…風呂入ってくる」


逃げるように風呂場へ向かえば、熱いシャワーを全身に浴びた

…このキバナ様が嫉妬してるなんてダンデに勘付かれたくねぇし…
つーか…サクラもサクラだ…
…俺様の女だってちゃんと身をもって分からせてやらねぇとな…

風呂を出てリビングに向かえば、交代でダンデが風呂に入りに行った
…リビングには俺様とサクラだけだ

俺様が風呂に入っている間に食器を片付けたのか、キッチンもテーブルも綺麗にされている
家事を終えたサクラは俺様の目の前に来てニコッと嬉しそうな顔をしながらネズに勝った証である、あくバッチを見せてきた


「バッチ、7個集めましたよ!
次はいよいよキバナさんです…!」


…サクラがジムチャレンジで勝ち進んでいく事は、俺様にとっても喜ばしい事なんだが…
…今はドロドロした感情が押し寄せてきて素直に喜べねぇ…

俺はサクラに返答もせずに顎を片手で挟み、顔を此方に向かせて噛み付く勢いで唇を奪った
…突然の事に驚くサクラが逃げようとしたが、もちろん逃すわけがなかった

もう片方の手でサクラの腰を引き寄せて固定させれば、俺は容赦なく舌をねじ込む


「んっ…キバ…ナっ…さ…!」


サクラの小さな舌を絡めとり、唾液を混ぜながら深いキスを続ければ静かなリビングに水音だけが響いた
…サクラが息苦しそうな声を漏らし始めたから仕方なく唇を離す

息が上がってはぁはぁと吐息を漏らすサクラの唇はどっちのか分からねぇ唾液で光っていて、とろんとした艶のある表情を浮かべている…


「…俺様の目の前でダンデと仲良くし過ぎじゃねぇの?
…お仕置き…されても文句は言えねぇよな…」


色のある顔で惚けてしまっているサクラにグイッと顔を近寄らせて含みのある笑みを向ければビクッと肩が揺れた


「……もしかして…
ダンデさんの口元を拭いた事に怒ってます…?」


「…よく分かってんじゃねぇか
…お前はこの俺様のモノだってしっかり認識して貰わねーとな…」
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