ポケモン(長編)ダンデ

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「キバナってそんなに強かったの?!
え、待って…ジムリーダーでベスト4進出なんて凄過ぎない…!?」


熱い試合を終えたキバナとダイゴに駆け寄った私は、軽くパニックになってる頭でキバナに詰め寄った


「俺様は強いに決まってんだろ!
他の地方に行けば、チャンピオンになれるって言われてるくらいだぜ?
ま、チャンピオンの肩書きに興味はねーけどな
…ダイゴに負けちまったし…」


…大きな手を後頭部で回しながら拗ねたような顔を浮かべるキバナは、悔しそうだった
そんなキバナをダイゴはクスッと上品に微笑みながら見ては口を開く


「ハナちゃんのお兄さんは強かったよ
…少しでも気を抜いてたらボクは決勝に進めなかったかもしれない」


「決勝に上がれたとしても優勝はこの俺がさせないぜ!」


…のしっと私の肩にズッシリとした重い感触を感じると同時に声が聞こえてきて、私もキバナもダイゴも一斉に声の主に注目した


「よぉダンデ!
なんだよ、勝ち上がったのか?
…クソッ、さっきの試合で勝ててたらダンデと戦えたのによー…」


なるほど…
…キバナがチャンピオンの肩書きに興味が無い理由は…ダンデくんに勝つ事しか考えてないからなのね…汗

キバナの発言に納得しつつも、私の肩に頭を乗せて甘えてくるダンデくんのリザードンをよしよしと撫でた


「俺のライバルであるキバナを負かしたのか…
だが!俺はどんな相手でも負ける気は無い!」


「奇遇だね…ボクも同じことを考えていたよ」


メラメラと互いに闘志を燃やして睨み合うダンデくんとダイゴ…
…この光景、さっきも見たわね…汗

2人は決勝を行う為にバトルフィールドに向かって歩いて行く…

私はリザードンに「頑張ってね!」と小さくキスをすると、やる気満々になったリザードンはダンデくんの後をついて行った


「…ねぇ、キバナ…
ダンデくんってポケモンバトルになるとキャラ変わってない?
…凄く挑発的というか…」


「…あいつ、バトル時はいつもあんなんだぜ?
試合中にダメ出しまでしてくるし…
あ、砂嵐はいいぜ?ダンデが黙るからな!」


口に砂が入るから喋らなくなるとキバナは言いたいんだろうけど…
…もしかしてキバナが天候を操るバトルスタイルなのはダンデくんのせい…?汗

なんて考えていると試合開始の合図が放たれ、凄まじい勢いでリザードンとメタグロスが交戦をし始めた…!

ダンデくんの指示から放たれるかえんほうしゃは、はがねタイプのメタグロスにはこうかばつぐん…!
タイプ相性から見てもダンデくんの方が優勢!

しかし、ダイゴも負けてはいない…!
そう何度も喰らうかとギリギリでリザードンの攻撃を避ける
そして近距離で、ギガインパクトを放った!

うっわ!直撃よっ!?
リザードン、大丈夫なの?!


「…まずいな」


…試合を見ていたキバナがボソッと呟くように言葉を発した


「え?…どうしてよ、リザードンの方がタイプ相性から考えても優勢じゃない…!」


「…ここはパワースポットじゃねぇ
だからダンデのリザードンはキョダイマックスが出来ねぇんだよ
あんなに何度も技を避けられちまってるしな…
…それにあのメタグロスは…」


冷静に試合を見ながら解析していくキバナは、焦っているようにも見える…


「メタグロス!メガ進化だ!!」


ダイゴの力強い声が耳に入ってきて、私は視線をバトルフィールドに移した

メガ進化ですって!?
…ダイゴが身に付けてたネクタイピンの石…
どっかで見た事あるようなって思ってたけど、キーストーンだったのっ!?

キバナと同じように私の顔からは、焦りが滲み出てくる…!

…そしてメタグロスが持っていたメガストーンが輝き出して、みるみるとメタグロスの姿が変形していく…!


「アレだ!
俺様のジュラルドンは…あの姿のメタグロスに負けちまったんだ…!」


確かにこれは…!
いくらタイプ相性が有利でもまずいかもっ…!


「ダンデくん!負けないでっ!!」


緊迫したバトルの中、居ても立っても居られなくなった私の口から声援が飛び出す…!

…その時、ダンデくんの口角がニヤリと上がった気がした…


「リザードン!!
ほのおのうずで動きを封じるんだ!」


「メタグロス、避けろっ!」


ダンデさんの指示でリザードンは空中を飛び回りながら、渦状の炎を巻き上げていく…!

…避けようとしてもメタグロスの周りには既に炎が上がっていて逃げる場所などない!
チリチリとほのおのうずに巻かれたメタグロスは少しずつダメージを受けていた…!


「メタグロス、アームハンマーだ!
炎を打ち消せ!」


ダイゴさんがほのおのうずを消そうとメタグロスに指示を出したけど、その隙にリザードンは空中から一気に距離を詰める…!


「さぁ…クライマックスをお見せしよう!
リザードン、かえんほうしゃだっ!」


リザードンの口から今まで見たこともないくらいの大きなかえんほうしゃが放たれて…

…バタリとメタグロスが倒れた瞬間…
会場が揺れる程の歓声が一気に湧き上がった!


「勝者、ガラル地方のダンデ選手っ!!」


つ、強過ぎる…!
まるで王者みたいな風格…!
あんなに強いのにチャンピオンじゃないの?!

響き渡る歓声の中、バトルを終えたダンデくんとダイゴは強い眼差しを向け合いながら握手をしていた…
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