ポケモン(長編)ダンデ

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…なんでこんなことになっちまったんだ…?

週に1度、ハナは必ず俺の家に泊まりに来る…
…家を出たハナが心配で心配で仕方ない俺様がそう約束させたんだが…

前回、ハナが帰ってきた際、何があったのかは知らねーけど…
…俺の家に置いてある酒を殆ど1人で呑み干して潰れちまってよ…

…潰れたハナをベッドに運んでいたら俺様のダイマックスバンドが突然、ありえねぇくらい光り出して…!

…そのまま気を失って朝、起きたらコレだ…汗


「「えええーっ!!?」」


お互いの顔を見合わせて、俺様とハナは朝から大声を上げる羽目になった…

…そりゃそーだろ…
目の前に自分が居るんだぜ…?

…マジで訳が分からねーよ…泣


「いやぁーーー!!
私の体を返しなさいよ、キバナっ!!」


「ちょっ…落ち着け、ハナ!!
俺様の体で揺するんじゃねぇ!
怪我しちまうぞ!!?」


2m近い大男の俺様の体で華奢なハナの体を全力で揺すったら…
…下手すりゃ骨が折れる…汗


「どーすんのよぉ…」


ぐすぐすと俺様の体で拗ねたように泣くハナに俺は冷や汗が垂れた
…ハナの体からだけどな…汗


「どーするって…
…とりあえず、仕事に行くしかねぇだろ?」


「…私にジムリーダーをやれって事?
大体、キバナの腕前じゃ私のポケモンサロンの評判が落ちちゃうわよ…」


「うっ…それはお互い様だろ!?
戻るまでなんとか耐えるしかねーよ…」


お互い、不満はありまくりだが…
…現状を打破できる解決策はねぇし…

ハナより腕は劣るが俺様だってハナから定期的にトリミングのコツとか方法を教えて貰ってるし…
…元トップコーディネーターであるハナの腕ならポケモンバトルも問題ないはず…

…とにかく体が元に戻るまで意地でもなんとか耐えるしかねぇ…!


「あ!コラ!!
アンタ、その格好のまま外に出る気じゃないでしょうね!?」


「あ?…流石に着替えるぜ?」


俺様は今、ハナの身体になっちまってるから昨日、ハナが着ていた服を着用したままだ…
…つーかあんだけ呑んでたのに全く二日酔いしてねぇんだけど…

…俺様の妹、酒に強過ぎねぇ…?汗


「ちっがーう!!
先にシャワー浴びてちょうだい!
そして化粧とヘアメイクも!」


「はぁ!?
おまっ…俺に裸を見られてもいいのかよ?!
つーか化粧とか俺様に出来る訳ねぇだろ!?」


「小さい頃に散々一緒に入ったじゃないの!
私にノーメイクで外に出ろっていうわけ!?
いいからさっさとしてちょうだいっ!」


ハナの圧が強過ぎて結局、俺様はバスルームへと押し込められちまった…
…仕方ねぇ…腹括るか…汗


「すっげー…流石、俺様の妹…
めちゃくちゃモデル体型じゃねぇか…」


鏡に映ったハナの体を見て思わず、称賛の声が出る
…華奢なボディラインにスラっと長い脚…
小ぶりだが、形の良い胸…

って何やってんだ俺様はっ!!
自分の妹の裸体を凝視するとかヤベェだろ!?

…極力、目を開けないようにしながらサクッとシャワーを済ませる

シャワーを終え、バスルームから出ると俺が…
…じゃなかったハナが仁王立ちして待ち構えていた…


「はい、コレ着てちょうだい!
後、スキンケアにはこれとこれと…それも!」


「ゲッ…Tバックかよ…!?
ん…化粧水、美容液、乳液、保湿クリーム…
うわ、まだあんのか?!」


「美は1日にして成らずよ!
ちゃーんと覚えて毎日!欠かさず!丁寧に!
優しくやってよ!?」


ぶん投げられたハナの下着に…
…次々と出てくる、スキンケア用品やらメイク道具やらで俺様は頭痛がしてきそうだった…


「…おーすげぇ…めっちゃ綺麗になったわ…」


ハナに言われるままに大人しく初メイクをしていく俺様…
元々手先は器用な方だからハナも御満足そうだったが…

…このスキンケアを朝晩やんのか?
…メイクも結構、時間が掛かるんだが…汗


「コレ!私の家の住所と店の鍵!
…絶対、ちゃんと毎日家に帰ってよね!」


「お、おう…?」


…中身が入れ替わっちまってるけど、別に家はお互いの家に帰れば良いと思うんだが…
…ハナが念を押して言ってくるから流されるように俺は返事をしてしまう


「あ!お前、その口調で絶対に喋るなよ?!
キバナ様がオカマに思われちまう!!」


「アンタもでしょ?!」


ぎゃあぎゃあと言い争いをしながらもなんとか仕事に向かったんだが…

…ハナが絶対に家に帰れと言った理由を知ったのは、慣れないポケモンサロンの仕事をクタクタになって終えた頃だった…


「ハナ!
迎えに来たんだぜっ!」


「…は?」


…閉店した店の前で…
ダンデがニカっと眩しい笑みを浮かべていた…
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