ポケモン(長編)キバナ

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よし!ちょっと早いけどキャンプの準備はオッケー!

…この間みたいにキテルグマの大群が来たら怖いから野生のポケモンがあまり生息していない場所にキャンプを張った

そして今、手持ちにいるヒバニーとココガラをボールから出す

ヒバニーもココガラもキャンプは初めてなのか凄くはしゃいでいる!
あーもー本当にかわいいー!!

ポケじゃらしを振れば真剣な顔で戯れてくるし、ボールを投げれば笑顔で持ってきてくれる

先程、ワイルドエリアで拾ったとくせんリンゴときのみを混ぜてカレーを作れば美味しそうに食べていた

…テントを張る前にワイルドエリアを散策してたんだけど…
野生のポケモンの殆どはトレーナーを見ると警戒しているのか中には襲ってくる子もいた…

ヒバニーとココガラを交互に戦闘に出しながら追い払ったけど…
…流石に何度もバトルを繰り返せば2匹とも疲れが出てきていたので早めにテントを張ったのだ

…カレーを食べてお腹いっぱいになった2匹はスヤスヤとテントの中で眠っている

私はナックルスタジアムでトレーニングしてたようにキバナさんに教えてもらった簡単な筋トレをしていた
…旅をしていくとは言え、トレーニングを怠るつもりはないもん!

夜が深くなれば電源を落としていたスマホロトムを稼働させる


「ロトム…明日頑張って私の事を起こしてね!」


そう言えばロトムは冷や汗を垂らす
…この子は私がなかなか起きないの知ってるからなぁ…
でも…目覚まし時計になるのスマホロトムくらいなんだよね…汗

明日は開会式だから絶対遅刻できない!
うん、早めに寝よっと…

キバナさんの家とは違ってやっぱりキャンプの夜は寒い…
冬だった季節は段々と暖かい春に向けてきてはいるけど…寒いものは寒いのだ

…キバナさんと寝たときはあったかくてキバナさんの匂いがして安心して眠れるのに…

ってダメダメ!もう十分、甘えてきたんだし!
ブンブンと首を横に振って私は寝袋に包まった

ヒバニーが寝袋に潜ってきて、ココガラは私の顔の横で羽を膨らませながら寝ている…

私もだんだんと眠くなって目を閉じた…


一晩ぐっすり眠ったけどやっぱり朝はなかなか起きれない私

ロトムが私の頭の近くで飛び回りながら爆音を鳴り響かせている
先にヒバニーとココガラが起きてロトムと一緒に私を起こそうと体を揺すった


「ん〜…あと5分…」


むにゃむにゃと全然起きない私にココガラがパタパタと飛んでテントの入り口を嘴で摘んで盛大に開ける

…眩しい太陽の光と朝のワイルドエリアの寒さでぱちっと目が開く


「さっ寒いっ…!
…あ、起こしてくれたんだ…ありがとう!」


ようやく起きた私はポケモン達にお礼を言った
器用にココガラが私を起こしたので賢い子だなぁと頭を撫でた
…そーするとずるいっ!とでも言うかのようにヒバニーが私の膝の上に乗ってくる


「今日は待ちに待った開会式だよ!
気合い入れて行こう!」


昨日採ったきのみを朝食代わりに食べながらテントをテキパキと片して会場であるエンジンシティへ向かう私


「おーい!サクラ!」


エンジンシティに入れば私を呼ぶ声が聞こえてきた
声のする方へ振り向けば無邪気な笑顔を向けて走ってきたのはホップくん


「ホップくん!いよいよ開会式だね…!
私、ちょっと緊張してきちゃった…」


「俺はワクワクしてるぞ!
さぁ…次会ったらバトルする約束、もちろん覚えてるよな!」


モンスターボールを片手にバトルを仕掛けてこようとするホップくんに私はやる気の溢れた笑みを返した


「もちろん…!」


返事をすると同時にヒバニーの入っているモンスターボールを投げる
ホップくんもサルノリを繰り出してきた

ヒバニーのひのこが何度かサルノリに当たるとタイプの相性もあって私の勝利!

続けてウールーを繰り出すホップくんだけど、私もヒバニーを引っ込めてココガラの入ったボールを投げた


「ココガラ!頑張って!」


ウールーとココガラはお互いにHPを削りながらバトルをしていく…

ウールーの一瞬の隙をついたココガラが私の指示でつつく攻撃をすれば、ふらふらと倒れるホップくんのウールー…


「あ!ウールー!
…流石サクラ!負けちゃったんだぞ!」


ホップくんは倒れたウールーをボールに戻しながら悔しそうな顔を浮かべていたけど、私の方を向けばニカっと笑顔に変わった


「ありがとう、またバトルしようね!」


私も笑顔を返しながらココガラをボールに戻そうとしたが…


「おい!サクラのココガラが…!」


「え!?これって…!」


ホップくんと私は驚いた声をあげる

…だって私のココガラの体は眩い光と共にどんどん変形し始めていた…!


「アオガラス!すっごーい!進化したの?!」


初めてポケモンが進化する様子に歓喜の声をあげれば、嬉しそうにアオガラスが私の元へ飛んできてスリスリと頬を寄せる


「おめでとうサクラ!捕まえたばっかりなのに進化するなんて凄いぞ!」


…まるで自分のことのように喜ぶホップくんが可愛い…

ホントにすごい!昨日は泣いていたのにこんなに早く進化するなんて…!

…成長したアオガラスが嬉しくて頬が緩んだ
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