ポケモン(長編)キバナ

□7
1ページ/7ページ


ジムチャレンジに来たのにどーしてモデルをやることに…!?

断ろうとルリナさんを呼び止めようとしたけどすぐにスタッフの所へと行ってしまって忙しそうにしている…

…撮影が終わらないとジムバトルをしてくれなさそう…

諦めた私は渋々スタジオの中にある簡易更衣室でルリナさんから渡された衣装に着替える…

わー可愛い!春らしい白のワンピース!ふわふわして女の子っぽいんだけど少し空いた胸元がセクシーさも出てて超センス良いっ!

実は言うと私は服も化粧も大好き!本当は一回でいいからってこーゆー撮影に憧れていた

着替え終わって更衣室から出ればスタッフの1人に呼ばれて今度はメイクをされていく…
…メイクが終われば、設置されている全身鏡で自分の姿を見ることが出来た


「………えーっと…ドチラサマ…?」


プロのメイク技術に圧倒された
まるで自分じゃないみたい!本物のモデルのような自分の姿に頭が少し困惑してしまう


「うん、私の予想通りね!
今回の撮影のイメージにぴったり!」


ルリナさんが満足そうに私の姿を見ている
…ルリナさんの衣装は私と対照的でセクシーさを基調としつつもガーリーにまとめられていて小悪魔的な雰囲気だった

やだ…色気が凄過ぎて私、鼻血出そう…

そして再びルリナさんに手を引っ張られてカメラの前に立たされる

…こんな本格的なスタジオで写真を撮られた事なんて一度もない私
もちろんガチガチに緊張してしまっていた…

ルリナさんは…流石、現役モデル!ビシッとポーズを決めてスタッフから指示される通りに表情を変える

…私が引きつった笑顔をカメラに向けていたらルリナさんが私の体を動かしてポーズをとらせてくれた

そんな時、お嬢さん!って声を掛けられて目線を向ければスタッフの1人がカメラの後ろで可愛らしいキレイハナを抱っこしている…!
…その姿につい緩む私の微笑んだ顔をパシャっと撮られた

私の緊張を解そうと踊ったり、笑顔を向けてくれるキレイハナを見ていたらいつの間にか撮影も終わっていて…


「なかなかいいわよ!はい、これ次の衣装!」


ようやく終わった…とホッとしたの一瞬だけだった…
…次の衣装だと言ってルリナさんが渡してきたのは…水着っ?!

いやいやいや…これは流石に無理!
逃げ出そうとした私をにっこりと怖いくらいの笑顔のルリナさんが捕まえてくる…汗

…そして抵抗も虚しく更衣室へと連行された…

ルリナさんに無理矢理着替えさせられた私
もうどうにでもなれ…と後半はヤケクソだった

着替えとメイク直しを済ませれば今度は別のスタジオへと向かう
小さな撮影用のプールが用意されており、ルリナさんを追い掛けるようにプールへと入った

み…水が冷たい…!
…撮影なら温水プールでいいじゃんか…泣
まだようやく春になってきたばかりだよ…?

ぶるっと身体を震わせたが水の中にはみずタイプのポケモンが何体か既に入っていて、私とルリナさんの元へと可愛らしい顔を浮かべながら寄ってきた!

タッツーだー!!ルリリもいる!
え、ガラル地方にいたっけ?!

ガラルでは珍しいみずポケモンにテンションの上がる私
そんな中、ルリナさんが私にバシャっと急に水を掛けてきた!


「この撮影はポーズを決めたりしなくていいからプールに来たと思って好きに遊んで?
ほら!ラブカスもいるわよ?」


ハートのような形をしているラブカスを抱っこしながら私を妖艶な笑みで見るルリナさん

…かわいいポケモンを餌に釣られた私はすっかり撮影を忘れており…
ポケモン達とルリナさんと本当にプールに遊びにでも来たかのように楽しんでしまっていた…


「はーい、お疲れ様でしたー!」


スタッフの1人が声をあげる

その声にようやくハッとして撮影されていたことを思い出す
…ガラルでは珍しいポケモンたちと遊んでいたからすっかり忘れてた…!

それぞれお疲れ様でしたー!と挨拶をしながらスタッフは片付けを始める


「はい、お疲れ様
ありがとー助かったわ」


プールから上がってぽかんとしている私にタオルとあったかいエネココアを差し出しながらルリナさんはにっこり微笑んでいた


「あ、ありがとうございます…
あの…私、普通に遊んじゃってたんですけど…」


「いいのよ!今日はそーゆー写真が撮りたかったんだから!
あ、写真見る?」


ルリナさんは今日撮影した写真を見せてくれようとしてくれたけど…自分がどんな姿をしているか全く想像つかなくて断った


「あの!それより私、ジムチャレンジに来たんです!ぜひバトルを…」


「え?あ…そっか、私が無理矢理引っ張って来ちゃったから…ごめんね!
そーいえば名前も聞いてなかったわね…」


自分の半ば無理矢理な行動を思い出して冷や汗を垂らしながらエネココアを飲むルリナさん
…あの時、ルリナさん忙しそうにしてテンパってたもんのね…


「ジムチャレンジャーのサクラです、宜しくお願いしま「ぶっ!」


私の名前を聞いてルリナさんがエネココアを吹いた
…熱くない?大丈夫ですか?


「サクラって…まさか…
キバナの推薦者ーーーっ!?」


…スタジオ内にルリナさんの驚愕した大きな声が響き渡った…
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ