ポケモン(長編)ダンデ

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「な…何よコレ…!!?」


ダンデくんと遊びに行った日から数日が経ち…
今日は待ちに待ったポケモンサロンOPEN日!

朝から開店に向けて忙しなく動き回っている私を尻目に、私のポケモンたちは久々に煌びやかな衣装やアクセサリーを身に付けれてご機嫌だった

宣伝も兼ねてコンテストに出場する時のようにお洒落をしてあげてたんだけど…
突如、ベルの音がなって表に出れば店宛に大量の美しい花々が届いていた…!

硬直している私に気付いてないのか、宅配をしにきた若い男性陣はテキパキと店内や店の外へと花を飾っていく…

最後に店の横に一際大きなスタンド花が2つ置かれるとペコリとお辞儀をして宅配業者の方々は去って行ってしまう…


「っ…!!?」


…店の外に出て、大きなスタンド花を見た私は心底、驚愕した…

この大量の花々は店のOPEN祝いの贈り物なんだろうけど…
一緒に付属していたメッセージボードに送り主のサインが大きく書いてあった…


「ダンデ」「キバナ」


ぎゃー!!キバナにバレてる…!!?

…まとめて送ってきたってことはダンデくん、バラしたわね?!
キバナの奴…!朝からなんかニヤニヤしてるとは思ってたけども…!

…って私が口止めしてなかったからそりゃ親友同士なら話しちゃうわよね…汗

うっ…!すごい視線…!
…街の人たちがこっちを見てる…!
ダンデくんもキバナもガラルでは超が付く程の有名人だから宣伝になって有難いけど…!


「ハナ!約束通り来たぜ!」


「お!マジでポケモンサロンやってんじゃん!
俺様にコソコソと隠れて何をやってんのかとは思ってたけどよ…お洒落な店だな!」


…背後から聞き慣れた男性の声が2人分聞こえてきて、勢い良く振り返った…!


「だ、ダンデくん…!キバナまで…!」


「兄の俺様がついでかよ!…ったく
それより、ダンデ!ほら、こっち向け!」


放心している私を無視してキバナはダンデくんの肩を寄せて、店をバックにスマホロトムを構える
カメラを向けられた事に気付いたダンデくんは慣れたようにニカっと笑顔を作った


「ん、良い感じだな!んじゃ早速…」


タッタッタとリズミカルなタップ音をさせながら、スマホロトムを操作するキバナは暫くして私にスマホロトムの画面を見せてくる

…そこには先程、ダンデくんとキバナが撮った仲良しそうな写真とキバナが打ったメッセージがSNSに投稿されていた…


[俺様とダンデ、一押しのポケモンサロンOPEN]


…ワナワナと震えながらダンデくんとキバナを交互に何度も見つめた…

ハッ…!
…ダ、ダンデくんが前に言っていた、私の店が繁盛するって…まさかこの事?!

放心状態の私を置いて、上機嫌なダンデくんとキバナは店の中に入っていってしまう…!
…シュートシティの街の人々は有名人の来店に目を輝かせながら私の店を見つめていた…

ニコッと街の人々へ表向きの笑顔を向けながら軽く逃げるように店の中へと戻る私…


「ふ、2人共…!これって…!!」


すぐにダンデくんとキバナの元に駆け寄って2人に問い掛ければ、ニカっと眩しいくらいの笑顔を向けてきた


「サプライズのお祝いなんだぜ!
花はキバナと注文したんだ!」


「SNSにはこの俺様が宣伝したからな!
間違い無く、客は来ると思うぜ?」


うん…嬉しい…お祝いはすんごーく嬉しいわ…


「2人共、本当にありがとう
とても嬉しいOPEN日になったわ…
…でも、ここの従業員は店主である私だけよ…
…だからガラルで1.2を争う有名人のアナタ達が揃って宣伝なんかしたら…」


「すいませーん!」


私の不安は直ぐに的中した…
…店の扉の開閉と共にベルの音とお客さんの声が響いて、後ろを振り向けば…
店の前には長蛇の列が既に出来上がっていた!


「「あ…」」


2人は情け無い声を揃って出して、外の光景に目を丸くさせれば、焦りながら互いの顔を見合わせている…

…ちょっと考えれば分かるでしょ…
もう…男って本当バカなんだから…汗


その後、店の中ではまるで砂嵐が起きているような忙しさが駆け巡った…!
…私1人では到底、対応しきれない…!

ポケモンのトリミングが主な仕事なんだけど…
…私は手作りのポロックやポフィン、ポフレ、マラサダといったお菓子
更にはポケモン用の衣類やアクセサリーも販売しようと思って用意していた…

トリミング関連は私しか出来ない上に、これだけの来客があればレジに立っている時間も余裕も全くない…!

事の発端である、ダンデくんとキバナは自分達が引き起こした事態だから…
…と言って今は、店の制服(普通のチェック柄のエプロンだけど…)を着用して手伝ってくれた

ダンデくんは店の奥から在庫を引っ張り出して陳列してるし、キバナはレジの前に立って会計とトリミングの順番を整理をしてくれている…


「ハナ!!
在庫はこれだけなのか?!
もう店の裏は空っぽなんだぜ!」


「えっ!?嘘でしょ?!」


午前を過ぎる頃にダンデくんの慌てた声が聞こえて、急いで店の裏に向かえば…
…あれほど用意したお菓子や衣類、アクセサリーに至るまで在庫は1つも残っていなかった…
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