ポケモン(長編)キバナ

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びっくりした

キバナさんがどうしてナックルジムに私を連れてきたのかようやく理解した

…ただポケモンバトルをする為だけじゃない
ジムチャレンジがしたいと言い出した私にこっちの世界のポケモントレーナー達を見せる必要があったんだ…

ナックルジムはガラル地方のトップジム

そこで日々特訓に励むトレーナー達だって上へ上へと高みを目指している
…鋭い目線をヒシヒシと感じたけどポケモンを戦わせることだけがバトルではないと理解した

だからキバナさんはランニングや筋トレを私に指示したんだ…
…自身も強くなければこのポケモントレーナーの世界で生き残れない

目の前で見たジムトレーナーたちのひとりひとりの真剣な顔…

…私の背筋がピシッと伸びていく感覚がする

これは…正真正銘バトルだ

そして私に推薦状を書くと皆の前で宣言したキバナさんの顔に泥は絶対塗りたくない!!

やる気が十分高まった私をバトルフィールドに連れ出したキバナさん

フィールドを挟んで対面する

…やっとポケモンバトルが始まるんだ…!
と気持ちは昂り、わくわくしてくる!

そして自分の手持ちのボールに触れてスタンバイすれば、まだかまだかと胸を高鳴らせた


「あー…やる気満々なのは分かるが…
…最初から俺様とバトルはしねーぞ?」


キバナさんの言葉にガーン…と鈍器で殴られたかのような衝撃が私を襲う


「ど、どうしてですか?!バトルする流れじゃないんですかーーーっ?!」


不満を口に出しては1人で騒ぐ私を見てキバナさんが苦笑いを浮かべている


「まずは自分のポケモンたちと向かい合ってみたほうがいい
強いとはいえ、実際バトルをしたことはないんだろ?」


「あ…そうですよね…」


「ここなら技も出せるからな
とりあえずポケモンを全部出してくれるか?」


持っていたボールを一斉に投げる
光とともにザシアン、サザンドラ、ラプラス、ジュラルドンが飛び出てきたけど…


「おい!ザシアンはやめとけ!
周りがびっくりしちまう!下手したらニュース騒ぎになるぜ?!」


…キバナさんが慌てた様子でザシアンはダメだと言うのでザシアンが落ち込んでしまった…
きゅーんとした目で私とキバナさんを見てる…


「うっ…そんな顔してもダメだ…!
……また今度な?」


その顔にさらに顔を困らせるキバナさん
ザシアンを懸命になだめている…

…大騒ぎになったらバトルの特訓どころじゃなくなるか
てゆーかテレビ局とか入って来たらナックルスタジアムが一旦閉鎖されかねない

ごめんねっ!と小さく謝れば、私はザシアンをボールに戻した


「ふぅ…伝説のポケモンって案外お茶目なんだな…」


ザシアンがボールに戻ったのでとりあえず一安心してるキバナさん
…私もこんなにお茶目な子だとは思ってなかったから同意するように頷いた


「ところでお前のポケモンはどんな技を覚えてるんだ?」


「えーっと…たしかサザンドラはハイドロポンプとか?
ラプラスはれいとうビーム…ジュラルドンはラスターカノンだったっけ…」


ゲームプレイ中の記憶を辿ってよく使用してた技をキバナさんに伝える

すると私のポケモンたちは指示をされたと勘違いしたのか、頭に?を浮かべながらも目標の定まっていない技をバトルフィールドに向かってそれぞれ繰り出してしまった…!


ドッカーンっ!!バキバキ…ッ!


「うっお?!あ、あぶねー…!」


私の横にいたポケモンたちが一斉に技を繰り出すもんだから離れていたキバナさんの方向へも技が発射される…!

…間一髪で技を華麗に避けたキバナさんの運動神経に拍手した

ってそんな呑気なことしてる場合じゃない!
ポケモンの技ってこんなに威力があるの?!
…もし当たってたらキバナさんは…

…それ以上考えるのはやめた
だって…こっちの世界でどーやって救急車を呼んだらいいのか分からないんだもん…汗

3体の技のおかげでバトルフィールドの一部は無残な姿に変わってしまった

ジュラルドンのラスターカノンでキバナさんの近くのフィールドには大きな穴が空いてしまっているし…
…サザンドラのハイドロポンプはラプラスのれいとうビームに当たって綺麗な氷の塊が天井と地面を結んでいた…

…私のポケモンたちは6Vだし、レベルマックスまで育てたから(ゲーム内だけど)強いのは分かってたけど…
キバナさんの予想を遥かに超えてたみたいで少し…いやだいぶ顔が引きつっていた

激しい爆音に驚いたジムトレーナーたちが慌ただしくバトルフィールドに来たが全員、形の変わったバトルフィールドを見てキバナさんと似たような顔になってる…


「…やっぱりバトル映像を見るとこから始めようぜ…
俺様のスタジアムが壊れちまう…」


「…そーしましょうか…」


苦笑いを浮かべながら返事をした

…本当は生で初めて迫力満点のポケモンの技を見たもんだからめっちゃくちゃ興奮してた…笑
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