ポケモン(長編)キバナ

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ローズ委員長とサクラの推薦について話していたらだいぶ時間が経っちまった…

推薦状は問題なく受理出来るだろうが、問題はダンデだ

ローズ委員長にサクラを紹介する為に連れてきたがまさかダンデと2人きりにさせることになっちまうとは…

長年、ダンデとはライバル関係を続けてきたからアイツのことはよく知ってる
…ダンデが初めてサクラを見たときの顔…
絶対惚れやがった…っ!

ただでさえポケモンバトルで勝てないっていうのにサクラまで持ってかれちまったら…

そんなの絶対、俺様は許さねぇぞ…!
クソッ、こんな事になるならサクラを留守番させるべきだったぜ…!


ローズ委員長に挨拶をして部屋を出ればスマホロトムにメッセージが何件か来ている

その中にサクラの名前が表示されていたから速攻で開いた


[ダンデさんと向かいのレストランで食事して待ってます!]


ダ、ダンデの野郎…!俺様が居ない間に…!!

思ったより手際の良いダンデにイライラした
着いて行くサクラもサクラだ
帰ったらぜってぇお仕置きしてやる…!

ホテルを出れば急いでレストランに向かう

店内へ入れば2人の姿を見つけようとキョロキョロしてたもんだからそんな俺を見た店員がダンデと待ち合わせしてると勘違いしたようだ

個室に居ると言われれば急いで向かって扉を開けた


「…は?…サクラ…?」


…目の前に飛び込んできたのは床に軽く倒れ込んでいるダンデとダンデに身体を預ける体勢になっているサクラ

一瞬、頭が真っ白になって俺様は固まった
が、よく見たらサクラの顔が赤い…
なんかふにゃ〜ってしてるし…まさか…


「ダンデっ!!酒飲ませたのか?!」


サクラの様子を見て酒を帯びている事に俺は気付いた

ダンデはサクラに抱きつかれて顔が真っ赤になっている…

ダンデにもたれ掛かるように倒れているサクラの肩を掴み、此方に向かせれば、とろんとした色のある顔で俺様を見るが意識が朦朧としているようだ…

あ、この顔すっげぇ俺様好みだわ…

ってそんな場合じゃねぇっ!


「なんでこんな事になってるか…
…説明してもらうぜ…?」


背後からドラゴンが今にも飛び出して来そうな雰囲気の俺様に慌てるダンデ


「お…俺が電話から戻ってきたら床に座り込んでいたんだ…!
何かあったのかと思って慌てて駆け寄ったら彼女、酔っていて…」


「そーじゃねぇよ!!
コイツ、まだ未成年なんだよっ!!」


「な…なにーーーぃ?!」


ダンデが驚きで大声を上げる

そりゃサクラの顔立ちは俺様たちと歳が変わらないくらい大人っぽく見えるから勘違いしてもおかしくはない…

ガラルでの飲酒は18から合法だ
…17のサクラはまだ飲めない

ダンデは無理に飲ませるような奴ではないと分かっているが…
確認くらいしろっつーの!

てゆーか…酒、弱すぎだろ…汗

申し訳なさそうなダンデはガラル1のチャンピオンとは思えないほどあたふたしている

テーブルを見ればダンデがいつもこのレストランで注文しているコースのメニューが2つ並んでいた

同じコースのものを頼んだから酒まで出てきちまったのか…
しかもこの店、グラスが空けば店員が新しいのを自動で持ってくるシステムだったよな…

はぁ…と俺様の口から盛大に溜息が溢れた


「とりあえず、サクラはもう連れて帰るぞ
…もう絶対飲ませるなよ、コイツ、飲めない体質みたいだからな」


ダンデが心底、落ち込んで申し訳なさそうにしながらサクラを心配そうに見ているもんだから怒る気が失せちまった

ぐったりしてるサクラを横抱きにしてレストランを出れば帰り用に呼んでいたアーマーガアタクシーに乗り込む

スヤスヤと俺の腕で眠るサクラを大事に抱き締めて頭を撫でる

アルコールのせいかサクラの身体は熱い…

ドラゴンはお姫様を守らねぇとな
…誰にも奪われないように…


家に着く頃には意識を取り戻したようでうっすらと目を開けるサクラ
相変わらず、ふにゃ〜とした様子で目がとろんとしている

…すぐ酔っ払う上に酒が抜けにくいみたいだ

リビングにあるソファにサクラを下ろして座らせた
キッチンからコップ1杯の水を汲んできて渡そうと思ったがコップを落としそうだったので仕方なく横に座ってゆっくり飲ませてやる

…あんまり飲めてねぇな
口の横から溢れてるし…

つーか表情がやべぇ…色気がダダ漏れだ

こんな顔してダンデに押し倒す形でもたれ掛かったのかよ…!
あー思い出したらイライラしてきちまった

ムスっとした不満そうな顔でサクラの身体を支えていたら急にぐいっと俺様の顔に自分の顔を近づけてきた
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