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□やっぱそうなるよな
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人気のない路地裏で薄汚い壁に背を預けながら、スッスッと画面を操作して電話をかける。いつもは大体3コールしないうちに応答するはずの声は、5回ほどのコールの後で聞こえた。

「もしもし、沙羅」
『んんっ…♡ ぁ、もしもしっ…♡』

電話越しに聞こえた声は媚びて上擦っていて、明らかに情事の最中だ。どうやらまた男を連れ込んで耽っているらしい。電話に出るのが遅かったのもそれが原因だろう。

「ヤりたいんだけど、いま家?それともホテル?ホテルだったら場所教えて」
『あぁんっ♡はっ♡ホテルにっ♡、ン、さきばらのぉっ、ラブホっ♡202号室っ♡』

バチュッ、バチュッ、と肌がぶつかる音と嬌声が右耳から聞こえる。喘ぐ声は高く甘いが、そこまで感じてはいないようだ。沙羅は快感に溺れている時は声が低くなるし、何よりもっとうるさい。相手の男が下手なのか、粗末なのかどっちだろうか。沙羅の馬鹿みたいに高い感度を鑑みれば、粗末なんだろうな。
そんな満足もさせられない粗チンにいつまでも沙羅のケツまんこを預けてはおけないし、何なら見せつけてやりたいし、元々ヤりたくて電話をかけたんだし、早速乗り込みに行こう。敢えて電話は繋げたまま、向こうが切らせるまで続けてやろうか。ああ、いや。

「沙羅、後ろの奴と代われる?」
『ひぅっ♡あっ♡いまっ、かわる、ッ♡』
「おう」
『代わったよ。きみ、この変態の彼氏だろ?彼女が寝取られてる相手に代わってくれとか乱入だなんて、類友かい?』

如何にもわかりやすく嘲るように自信たっぷりに寝取られてるとか発言するおっさんに、流石に失笑を禁じ得ない。

「俺はクソマゾの沙羅に付き合ってやってるだけで変態じゃねーよ。彼氏の甲斐性ってやつ。」
『だとしても寝取られてるのには変わりないさ。きみも聞いただろう?あのオスへ媚びに媚びたメスの声。』

あまりにも自分勝手な価値観と認識をさも事実のように語るおっさんの声に、失笑すら通り越して呆れてしまう。確かに喘いでる時の沙羅の声はマジで媚びっ媚びのメス声だが、あんなに高くない。何にもわかっちゃいねえなこのおっさん。そんなんでよく援交もどきが出来たな。やっぱりおっさんじゃあの性欲モンスターの相手は力不足だ。エレベーターから降りながら確信を深める。

「おっさんさぁ、抱いてる相手がちゃんと気持ちよくなってるかもわかんないとか、よくそんなんで沙羅を買おうと思ったなぁ」
『なっ…!なんだと、ガキに何がわかる!?』
「いや、あんたよりはわかってるよ。俺は彼氏だぜ?あ、もう部屋に着くから」

そう言った瞬間、ブツッと通話が切られる。負けを認めたも同然、痛快な気分だ。
202号室の扉に手をかけ、ノブを捻って中へ入る。中ではベッドに沙羅を押しつけて腰を振るおっさんがいた。成る程、粗末なだけじゃなくてテクニックもないみたいだ。

「っぐ、来たかっ」
「来たぜ、沙羅。大丈夫か?イけてねーだろ、すぐに楽にしてやっからなー」
「君、なにをっ…!」

おっさんの吠える声は無視して、まっすぐベッドサイドまで近付いて沙羅の髪に触れる。綺麗な黒髪なのに、おっさんの唾液とか精液とかでドロドロにされてて見るも無惨だ。喘ぎに開いた沙羅の口へ指を突っ込み、ざらつきが目立つ舌を捏ねくり回したり上顎を擦ってやったりすればあっという間に目が蕩けて漏れる声が低くなる。

「あ♡っ♡ンあ、あ゛ー…♡」
「ほらおっさん、全然声ちげーだろ。流石にこの違いがわかんない、なんてことないよな?」
「こっ、この…!馬鹿にしやがって!!」

煽り耐性がないにも程があるってぐらいわかりやすく逆上したおっさんが沙羅のナカからチンコを抜いて俺に掴みかかってくる。馬鹿みたいにまっすぐ突っ込んでくるおっさんの腕をさっくり避け、鳩尾に一発入れて黙らせてついでにポケットに忍ばせていたスタンガンをバチバチと。あっさり意識を失ったおっさんを放置し、まだ蕩けたままの目で俺を見つめる沙羅にキスする。ピチャピチャと唾液を交換しながら深いキスを繰り返すうちに沙羅もすっかりスイッチが入ったようで、ほったらかしにされたケツまんこを自ら慰め始めていた。その手を咎め、ズボンのジッパーを開けて微笑みかける。

「さーら。指なんかよりいいモンあるだろ?」



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