main

□朝が来ることも
1ページ/2ページ



光の射さない部屋の中、微かな物音で目を覚ます。寝惚け眼を擦りながら身体を起こして物音の方を見ると、最早見慣れてしまった黒いドレスが見えた。

「……ルツェルカ」
「おはよう、ルウ。良い夢は見られたかしら?」
「まぁまぁかな、…一応聞くけど、何のために朝早くから俺の部屋に?」

俺がわかりきった質問を投げやりに放れば、ルツェルカは見る者を魅了するような美しく淫靡な笑みを湛えて彼は言う。

「わかっているでしょう?かわいそうなルウ」
「やっぱり……本当に淫乱だね」
「うふふ、仕方のないことよ。そうしないと死んじゃうもの」




蝋燭とランタンだけが照らす薄暗い部屋に、ともすれば耳を塞ぎたくなるような淫らな音が響く。酷い水音とどちらのものかわからない荒い息遣い、くぐもって不明瞭な嬌声が混ざった饗宴だ。
俺の上に跨がり腰を振るルツェルカはいつものドレスを脱ぎ去って裸体を晒している。その肋の浮いた薄い胸に慎ましくも主張する粒を下から摘まんでキツく引っ張ってやれば、びくりと跳ねた腰が浮いてぐちゃりとまた酷い音を立てた。

「ぅ、ぐ、ッ〜〜〜♡♡」
「…声、我慢するのはなんで?」

ルツェルカは行為の時に必ず声を我慢する。口を手で押さえたり、唇を切れるほど噛んだりと方法は幾つかあるけど、我慢するのはいつもだ。それがどうしてなのか、今まで聞いたこともなかったのに妙に気になって問うてみる。口元を押さえる手を少しばかり緩め、快感に震える声で彼は語った。

「っ、ルウの前、に…いた方は、ぁっ、声を出すと、萎えてしまったのでっ…っ♡」

真っ先に思ったのは「余計なことを」だった。俺はルツェルカが我慢しきれなくなった時に聞こえる悲鳴じみた細い嬌声が好きだし、そもそも単純にルツェルカの声が好きなので色んな声が聞きたい。前の男がとんだ粗チン野郎だったせいで彼がこんなに必死に声を出さないようにしているんだと思うと無性にむしゃくしゃして、八つ当たり気味に思い切り下から突き上げた。あわよくば声を聞かせてほしいという思惑も込めて、彼が一番弱い奥の奥まで全部を。

「ひっ♡っあ゛っ、ァ、―――――――――っ…!!」

腸壁を削り取るように勢いをつけて奥を突いたことが決め手になったのか、ルツェルカの喉がきゅっと締まって絞られたか細い嬌声が上がる。仰け反った身体はびくびくと痙攣し、陰茎は硬く勃起したまま精液は出さずぶるぶる震えて透明な雫をこぼすだけだ。絶頂したことでナカも締まりうねって俺の精液をねだっている。未だ痙攣を繰り返して哀れみを誘う細い身体を掴み、もう奥まで着いているにも関わらず更に押し入ろうと結腸の奥へ先端を捩じ込みながら射精する。

「あ゛っ、ひ、だめ゛ぇっ♡そこだめ゛っ♡あだまっ♡馬鹿になっちゃ、ッあ゛ぁ゛ああぁ〜〜〜〜〜〜〜っっっ♡♡♡」

抵抗でぎゅうぎゅう締め付ける結腸が一層性感と射精感を煽り、快感のままに中出ししながら口だけの「ダメ」を無視してもっともっと奥へ、入ってはいけないところまでぐぼっと突破して精液をぶちまけた。熱い白濁がナカを灼いて、ルツェルカは大きな絶頂の波に飲まれて最後まで射精しないまま強過ぎる快楽に意識を失い倒れ込んできた。意識を失って尚止まらないらしい絶頂にがくがくと全身を痙攣させる姿がまたいやらしくて、大量に出して満足したはずの陰茎が硬度を取り戻し始める。流石に意識のないルツェルカを犯すのはどうかと思って抜こうとしたものの、以前に彼本人が言っていたことを思い出して、落ち着いてきはしてもまだびくびく震える身体を抱き締めながら少し引いた腰を思い切り突き込んで途切れている意識を叩き起こした。

「ひぎっ…!!ぃ、あ――、?♡、ッ?♡」
「っ、は、おはよう、ルツェルカ」
「ひゅっ、♡、あっ♡あ゛ぁあっ!まだぁッ♡ずっと、ぉっ♡ずっとイっでるうぅっ♡♡イくのっイくのとまらな、っあ゛、ああああぁ〜〜〜〜♡♡♡」

ルツェルカの意思に関係なく跳ねようする肢体はしかし、俺が抱き締めているからそれも出来ず快感を逃がせない。ぶちゅぶちゅと結合部から精液と腸液が混ざる音がしていて、聴覚まで犯されるみたいだ。無様にメスイキを繰り返しては獣のような声を上げる彼には普段の上品さは欠片もなく、誰が見ても完璧な淫乱だろう。基本的に誘ってくるのは彼の方だし、淫乱という評価は何も間違っていないけど。
ずっとイってるから腸壁がうねり続けていて、挿入してるだけでもイけそうなくらい気持ちいい。でもそれじゃつまらないからとまた結腸を責めてやると、全身の痙攣が激しくなってシーツにシワを作る指に力が入ったのがわかる。




次へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ