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□偉大な生徒会様を××してみよう!〜生徒会長編〜
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俺は中瀬 涼( なかせ りょう)。今日からこの八璃 ( やり)学園に通うことになった転校生だ。
この学園の特徴は全校生徒が男子であることと完全寮制であること、そして生徒の8割が同性愛者であるということだ。1割は異性愛者、残りの1割は両性あるいは精神的に女性の生徒である。
あとは、まぁ、実質的に生徒会が学園のほぼ全ての権限を握っているってこともそうかもしれない。親衛隊なんてものも存在するくらい生徒たちから熱烈な支持を得ているそうで、理事も手を出せないとかなんとか。
そんな生徒たちの憧れ、カリスマの生徒会を転校してきたばっかりの俺が滅茶苦茶にするんだと思うと今から興奮が治まらない。
トイレで一発抜いてこようかと足早に校舎へ歩を進めていると、急に人が増えて思うように進めなくなった。何事かと周囲を見回せば、数人の生徒に囲まれた白い学ランの男がにこやかにこちらへ微笑みかけていた。

「ごきげんよう。きみが転校生の中瀬くんかね?」
「…そうですけど、あんたは?」

黒い学ランが制服である八璃学園において異質な、生徒会メンバーの証である特別な白い学ランに身を包んだ男に生意気な口を聞いたからか、男を取り巻く生徒たちがいきり立つ。生徒会長になんてことを、なんて声が聞こえて目当ての人物に早々に会えたと知るとまた体温が上がってきた。噂の生徒会長様が、眼鏡をかけて如何にもインテリといった風貌だったのは意外だったけど。
「ぼくは八璃学園生徒会長の薬袋 朔太郎(みない さくたろう)。きみはまだ学園に来たばかりで色々とわからないだろう?生徒会長たるぼくが、ちゃんと案内してあげないとと思ってね。」
「…!ありがとうございます。でも、その…まだ複数の方とお話出来る余裕もないので、出来れば薬袋会長だけでの案内にしてくれませんか?」

生徒会長様はちょっと鼻につく口調ではあるけど温厚そうで、更にはまだ転校してきたばかりの俺のために直々に学園を案内してくれるときた。これはチャンスだとお言葉に甘えることにして、不自然にならない理由を述べて取り巻きを追い払い、二人きりになることに成功したのだった。


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