向日葵

□2,常勝の掟
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「みんな、各自ストレッチが終わったら合宿所の周りを外周する。テーピングなどがある者は岡崎の所へ行ってくれ。」

幸村が指示を出し始めた。
私はみんなのドリンクを作るため水道へ向かう。
晴天で最高の合宿日和だ。
昨日の夜作った特製はちみつレモンは幸村の大好物だ。
みんなも好きなようで、普段の練習の時も頻繁に作ったりする。
今日は多めに作ってきたので幸村は特に喜ぶだろう。

みんなが外周から帰ってきたのでタオルとドリンクを1人づつに渡す。
もちろん最初は幸村へ。

「精市!お疲れ様!みんなのタイムも絶好調だよ!この調子で頑張ろうね!」

幸村はとてつもない爽やかな笑顔で頷く。
私はこの笑顔が大好きだ。
そしてなにより、頭を優しく撫でてくれる。
これがもうたまらない。
毎度心臓が爆発しそうになる。

幸村はいつだって私をドキドキさせる。


「奈緒せんぱ〜い!はちみつレモンないんスか〜?」
と私のジャージの裾を掴んでくるのは、弟的ポジションにいる切原赤也。
こいつはお調子者でいつも真田に怒られている。だが、みんなが見ていないところでは誰よりも努力している。
「筋トレ終わったら休憩みたいだから、その時ね!」
「チェッ、今くれてもいいじゃん」
「ダーメ!ほら、さっさと筋トレしてきな!」
しぶしぶ筋トレに行った。
可愛いヤツめ。
筋トレも終わり、5分休憩。はちみつレモンの時間だ。全員に3枚づつ食べさせ再びドリンク作りへ。
1000回の素振りと1人50本ダッシュが終わり、1時間の昼休憩だ。
私はみんながトレーニングしている間に定番のカレーを作った。

「「いただきまーす」」

一瞬で無くなります…。

午後の練習が始まり、夕方の17時に練習が終わった。
ここの合宿所は大浴場がついている。
私は隣の女湯へ。

「奈緒せんぱ〜い!湯加減はどうスか〜?こっちは最高っスよ!」

どデカい赤也の声が隣の男湯から聞こえてきた。
「おいバカ也!やめろ!」ジャッカルの声。
「はぁ、、、まったく。」蓮二の声。
「やめんか!」真田の声。
私はみんなが赤也を止めているのが面白くてケラケラ笑っていた。
きっと幸村も笑っているだろう。

風呂から上がって、ご飯を食べて赤也と柳生と3人で片付けをし、全員でミーティング。
明日からの練習内容、スケジュールを確認する。

今日流した汗の意味を理解し、無駄にならぬようしっかりと1日1日を大切にしていこう

これは今日のミーティングでまとめた言葉。
常勝と呼ばれること、それはプライド。
平坦な道などない。
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