向日葵

□4,グルグル
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目が覚めたのは夜中の2時。
あれ?ここ私の部屋じゃない。ん?手が、、、

「精市っ!、、、」
「よかった。目が覚めたね。」

いつもの優しい笑顔が少し曇っているように見える。

「どこか痛むとこはないかい?気分はどうだい?」
「頭が痛い。気分は最悪よ。」
「、、、俺のせいだ。すまない。」
「謝らなくていいから何をそんなに思い詰めてるの?私に言えない事?」
「いや、その、、、」
「なんか今日の精市おかしいよ。精市らしくない。、、、、もういいよ、部屋に戻る。」

立ち上がったがフラフラしていてる。
精市は急いで私を支え、
「俺があっちで寝るから今日はここで我慢してくれないか?」
「、、、わかった」

嫌じゃないよ。むしろ一緒にいたいとか素直になれない。

そして1人になり考えた。
私が逆の立場だったら風呂で他の女の子が精市に大きな声で話かけるのを。
うん、嫌だ。でも私は精市が好きだから。
もしかして精市もヤキモチ?とか思ったが、精市に限ってそれは無いだろう。と思い結局分からないまま。
気づけば眠りについていて朝だ。
当初の予定では5時に起きてみんなの朝食とはちみつレモンを作ろうと考えていたが、現在なんと7時。
急いで準備をし、キッチンまで走った。

「よっ!おはよ!体調、もう平気か?」
「ブンちゃん!おはよ!大丈夫だよ、ごめんね!ご飯ダッシュで作るよ!」

「それは必要ない。今日は幸村が早く目が覚めたからと全員分の朝食を用意してくれた。」
「弦一郎、、、それまじ?」
「あぁ。」

なんという事だ。やらかした。完全にやらかしたと精市の所まで走った。

「精市、今日朝食みんなの作ってくれたの?!本当にごめん!マネージャーの仕事なのに、、、」
「お詫びだよ。昨日は悪かった。岡崎の分もあるから食べてね。あと、はちみつレモンはやっぱりお前が作らなきゃ意味が無いから買い出し赤也に行かせたよ。後で食べさせてよ。」
「私もつい言い過ぎてごめん。あと昨日も今日もありがとう。たくさん作るねっ!」

やっぱりなんかいつもの幸村の笑顔ではない。だが、これ以上はみんなに迷惑だ。
そう思い幸村が作ってくれた朝食を食べた。

今日もハードな1日が始まる。
まだなんとなく違和感はあるものの、作業をしなければならない。
頭をグルグルさせながら食器を洗った。
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