向日葵

□7,喜怒哀楽
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「ごめんね蓮二。本当にありがとう。おかげでだいぶ楽になったよ。」
「お前はすぐ無理をする傾向がある。だから倒れたのだろう。強がらずにもう少し誰かを頼ってもいいのではないか?俺たちは立海の仲間だろう。そして幼なじみではないか。」

本当に蓮二には助けてもらいっぱなしだ。
蓮二の言葉は強く私の心に響く。

そろそろ中に入ろうと2人でバルコニーを出た。
部屋の前に精市がいた。

「精市、なにしてるの?寝れないの?」
「精市、俺はもう遠慮はしない。お前は本当に大切な事に気づけていないようだ。」
「柳、、、」

そして蓮二が部屋に入れとドアを開け、背中をそっと押し、おやすみと一言。

2人は部屋に戻るのか、遠くなって行く歩く音だけが聞こえた。
私はまた1人泣いていた。
コンコンッ ドアを開けると

「よっ!ってお前、目やばすぎるだろぃ。」
「ブンちゃん、、、」
「お菓子持ってきてやったぜ!みんなで食おうぜっ」
「お前さんが柳に泣かされたと赤也に聞いてな。心配で様子を見に来たんじゃが大丈夫か?」
「ん???ちょっと待って。赤也www」
「奈緒先輩!大丈夫っスか?俺めっちゃ心配したんスよ!しかも相手は柳先輩だし、俺入れなくて。ってなんで笑ってんスか?」
「私は蓮二に慰めてもらってたのよwwwむしろ感動の涙よwww」
「勘違いに早とちりですか。まったく。」
一同赤也を睨む。

「ひぇっすんません!」
「心配してくれてありがとうみんな!お菓子食べよっか!」
「太っても知らねぇぜ」
「丸いデブン太」
「仁王!てめぇ!」
「プリッ」

「あはははwww丸いwwwデブwwwんwww」
「おい奈緒!お前笑うんじゃねぇよ」
「だって面白かったwww」
「大爆笑ぜよ...。」
「けれど岡崎さんが少しでも笑ってくれて私は嬉しいですよ。」
「っち。まぁな。奈緒、今日だけだぞ。明日その名前で呼んでみろぃ。眉毛全剃りしてやるぜ」
「なにその脅しwww」
「仕方ねぇだろぃ。お前女の子なんだから手は出せねぇ。」

その後1時間くらいブンちゃん、仁王、柳生、赤也とお菓子を食べながら楽しく過ごした。
泣いていたのが嘘のようだ。
私には、こんなにも大切な仲間がいる。

「ところでさ、弦一郎は?」
「そうだった!忘れてたぜ。真田がさ、今日は遅いから渡しとけってよ。」

小さなメモ用紙だった。
ひっくり返すとそこには、

「そばにいてやれずに申し訳ない。だが、お前は俺の大切な幼なじみだ。」

不器用で恋愛なんて全くもって興味の無い真田からの一言。
また涙が出てきてみんなの前で泣いてしまった。

「ちょっ奈緒先輩、、、」
「いいじゃろう赤也。これは嬉し涙ぜよ。」
「ったく紛らわしいやつだぜ」
「今日の岡崎さんは喜怒哀楽が激しいですね。」

確かに今は、悲しくて辛くて切なくて苦しい。だけど私にはみんながいる。頼れる仲間がいるって本当に素晴らしいな。
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