向日葵

□9,本当の気持ち
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「ちょっと...ちょっと待ってよ2人とも!精市も蓮二もおかしいよ!なんで...っ。精市は私の事が好きだって言ってくれたじゃん!なんで蓮二と付き合ったって聞いて引き止めることもしないの?嘘だったの?!」

珍しく怒鳴ってしまった。
幸村は捨てられた子犬の様な寂しそうな顔をしていたが、怒ったような表情で

「嘘なわけないだろう!柳なら安心してお前を託せると思ったんだ!」
バシッ
私は泣きながら思いっきり幸村の頬をビンタした。
バスの中は葬式状態。赤也に関しては震えている。
「...精市。見損なったよ。私は精市が好き。大好きだったよ。」
そう言い1番後ろの席に1人で座った。
この気まずい空気の中足音が聞こえた。
真田が隣に来てくれたのだ。
「タオルを忘れていただろう。これで涙を拭け。俺は何も聞かない。ただそばにいる。」

「俺は身体が弱いんだ!またいつ倒れるかなんて分からない!お前にこれ以上心配な顔をさせたくないんだ!」
幸村の大きな声がバスの中で響いた。
沈黙が続いて

「...やっと本音を吐いたな、精市」
そう柳は優しく笑って、私がさっきまで座っていた席に移動した。
「精市、お前は岡崎の事が本当に好きなんだろう。それならばしっかり思いを打ち明けるべきだ。このままなら本当に俺は岡崎をお前から奪う。」

幸村が立ち上がった。
真田は察したかのように無言で自分の席に戻った。

「奈緒、本当にすまない。今から話す言葉は全て俺の本当の気持ちだ。聞いてくれるかい?」
「...うん...。」

「...俺は幼い頃からお前の事が好きだって言っただろう?今も好きだ。本当は誰にも渡したくない。俺は病気になり、死ぬかもしれないと思った時にお前の事を考えた。正直、お前が俺を好きでいてくれているのはわかっていたよ。だから全国三連覇をお前にプレゼントし、その時に告白するつもりでいたんだ。
本当に好きだから部活の事忙しくて構ってやれないのが嫌だったんだ。全国大会が終わり、落ち着いたらお前に伝えたかった。その矢先に病気になり入院だ。それも難病。幸せにする自信もずっとそばでお前を守る自信もなくなったんだよ。だから俺は...」

ここまで黙って聞いていたが、私はもう限界だった。
精市を強く抱きしめた。
「精市...私は精市が一緒にいてくれたらそれだけで幸せだよ?守る自信なんていらない。そばにいてよ...。」
泣きながら自分の思いを伝えた。
幸村の肩が小さく震えているのが伝わって来てさらにギュッとした。

「奈緒、本当に俺でいいの?」

「精市でいいんじゃないよ、精市がいいんだよ。」

「...まったく...」
小さな精市の声が聞こえたと思ったら視界が反対向きになった。
私を後ろからギュッと抱きしめ、
「もう離さない」
と言ってくれた。

「「「ヒューッ」」」
「精市、その手を離すな。しっかりと繋いでおけ。ちなみに俺は岡崎とは付き合ってない。」
「うん、そうだろうね。ふふふ」

赤「俺感動したっス、、、」
ブ「やっとくっついたぜ、まぁ当然の結果だろぃっ☆」
仁「プピーナッ」
柳生「おめでとうございますお2人とも。」
真「まったく。たるんどる。。。本当によかったな、2人とも。」
ジャ「だから何がどうなってんだよ...。」
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