TWD 短編
□最後まで
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もう駄目だ
そう思ったのは痛みがしてすぐだった
痛みに耐えながら何とか戻ると
私をみてリックもダリルも顔を青くした
すぐに刑務所へ戻るぞと言ってくれたが丁寧に断る
皆を危険に晒すわけにはいかない
二人の悲しそうな顔も噛み締める唇も
私への思いに嬉しくなったなんて言ったら怒られるかな?
「無理だよ」
私はシャツを捲って腰を見せた
そこには歯形がくっきりとあり
少し肉がなくなっていた
「そんなっ…」
「くそっ」
頭を抱えるリックと
そこに横たわる死体に蹴りを入れるダリル
「戻ってきたのは、渡したかったから」
そう言ってナイフと銃を差し出すと
リックが受け取ってくれた
二人にしてほしい
そう言ったダリルに散々荒らされた店内へ連れてこられる
「なんでだよ……」
その泣きそうな声は聞きたくなかったな
もう、彼を悲しませたくなかった
それでも彼の腕の中はひどく安心して
この後のことも怖くなくなった