TWD 短編

□ダークブラウン
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クソみたいな音楽が煩く鳴っていて
たいして上手くない酒を煽る
合間に煙草を吸ってみるもなんだか気分じゃなくてすぐに灰皿に押し付けた


ヤク中とアル中ばっか集まるこの店は店員もクソだ




「よぉ、ダリル」

「……誰だよ、それ」


待ち合わせなどしなくても当たり前にここで会うくらいには常連だ
でもここから女を連れ出す事はあっても連れてくるのは始めてでなんだよって思った


「ちょっと拾ったからおめぇにやるよ」

「…いらねぇ」


「調子にのってんじゃねぇぞくそハゲ」


兄貴に腰を抱かれてずっと下を向いていた女は急に顔をあげたかと思うと兄貴に大口を叩いた。中指までたてた


あ、こいつ死んだなと思ったのも束の間
メルルはほら、おもしれぇだろとガハハと笑いやがる

どうしたっていうんだ?いつもなら女でも殴り飛ばしてるっていうのに




「こいつはダリルだ」


「ハローダリル。時雨だよ」


始めてみたその目は大きく丸くてダークブラウンだった
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