TWD 短編
□小さい敵
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時雨が眠れないのは俺も含めみんなが知っていた
どうせ眠れないから、暇だからと3日も続けて見張りをしてくれて
俺達はどうしようと頭を抱えていた
それを知ってか知らずかカールが時雨の手を引っ張ってテントはいり込むのが見えた
リックと俺はなんだ?と顔を見合わせてまあいいか、これから食料はどうしようなどと話をした
いつまでたってもテントから出てこない二人が気になった
もう昼飯の時間だぞ
今日はトマト缶でスープを作ったらしいぞ
早く出てこいよと思ったらリックもそうだったらしいので二人でテントへ行った
あの時雨が
あの時雨がなんと、規則正しく肩を揺らして寝ていた
いつも警戒心がすごく、少しの気配でも気になるあいつが、俺達が来たのも気づかないほどぐっすり眠っている
抱き締めあっていた腕から小さな頭がでてきて唇に指を当ててしーっと俺らに伝えてくる
横を見ればリックも驚いているようで
本当はどうだったかはわからないが、時雨を抱き締めているカールが俺を挑発するように、勝ち誇ったように笑った風に見えた
あんなガキにとられるわけない、年の差を考えろよと思ったがすぐに頭をふってかきけした
時雨とカールの年齢差より俺と時雨の年齢差のほうがでかいからだ
取り敢えず、今度は俺が抱き締めて寝かせてみようと思った