第2巻
□Act.7.5 誓約の儀式
2ページ/14ページ
「あ…えと、はい…4つ、から1つの属性を…あの……」
「ああ、ひょっとしてその4つの属性から自分の合った1つの属性を見つけるのが第一行程、ってこと?」
「(こくん)」
言葉に詰まってしまったティールを助けるように白澤が自分の仮説を言うと、それに対して彼女は肯定の意でこくりと頷いていた。
「兄様のいうように、まずは自分に適正する属性を見つけないと…」
コンコンコン
いけないんですけど、と言おうとしていたティールを遮って極楽満月のドアをノックする音が聞こえた。
「?どうぞー開いてるよー」
ノック音が聞こえ、白澤は首をかしげながらも外にいるであろう人物に声をかける。
すると、ドアを開けて入ってきたのは…
「マグナ、ネス」
「レシィさんにアメルさんも、よく来てくださいました」
そう、ティールの前世からの縁で繋がっている彼女と同期のマグナと彼の護衛獣レシィ。そして2人の兄弟子ネスティに、ティールとは前前世からの親友・アメルだった。
「いや、召喚の儀式をするという事だったからな。僕らが呼ばれるのは必然ですし、大丈夫ですよ」
「ネスは、召喚師の鑑みたいなものだもんなー」
「えーっと…?」
誰っすか…?と桃太郎は入ってきた4人を見て首をかしげている。
「あ、えっと…私の前世からの縁がある人たちで…」
言いながらティールは1人1人紹介をしていく。
「私と同期のマグナ」
「こんにちは、初めまして。マグナです」
「あ、どうも…桃太郎です…!」
紹介され、紺の髪に紺の瞳の青年ーマグナーが軽く会釈をする。
会釈されたのを見て、桃太郎も同じように会釈をしていた。
「で、こちらが私とマグナの兄弟子のネスティ」
私とマグナは『ネス』って呼んでますです。と続けるティールを他所に
「……どうも」
たった一言だけ挨拶を交わす、マグナと同じく紺の髪に紺の瞳、それに眼鏡をかけた男性ーネスティー。
「え…それだけ…?」
「ネス…相変わらずのクールさというかなんというか…」
ネスティの挨拶に、ティールとマグナは苦笑が隠せない。
.