短編＊お題＊誕生日＊企画
□ハツカノ
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私、
生まれて初めて、
『恋』をしました。
今まで私にはないと思っていた恋愛感情。
貴女の姿が、手が、口が、声が、笑顔が、すべてが――――
それを引きずり出して、突き動かすんです。
これが『恋』だという事に、私にしてはだいぶ時間を要しました。
しかしこれが『恋』だと分かった以上、必ず貴女を手に入れてみせます。
――――と言っても、具体的に何をどうすればいいのか全く分かりません。
とりあえず恋愛小説を読みあさってみました。
あ、月君なんかには聞けませんよ。ここぞとばかりにいろんな事を言われそうなので……。
私、負けず嫌いですから。
今日も捜査の合間をぬって勉強中です。
ますます寝れません。
これもみんな貴女と両思いになるためです。
ですが、本を読む度に貴女への想いは募るばかりです。
もう自分の中だけに留めておく事が出来ません。
思い切って『告白』と言うものをしました。
凄くドキドキしました。心臓が破裂しそうでした。
そしたら貴女も私の事が好きだと言ってくれました。
犯人を見つけ出す事よりも、甘い物をたくさん食べる事よりも、
こんなに嬉しくて、幸せになれる事があったんですね……。
私、
生まれて初めて、
『彼女』が出来ました。
ＥＮＤ
→あとがき