MGS小説
□act.1 「戦いの始まり」
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気がつくと彼はそこにいた。
スネーク「一体ここは…?なんだってこんなところに?」
彼の名はソリッドスネーク。
かつて20世紀最強の兵士といわれたBIGBOSSを倒し、数々の危機を救った伝説の英雄である。
そして、先日ついに最大の敵であるリキッドオセロットを倒し、愛国者達によって管理されている世界を元のあるべき姿に戻したところであった。
そして彼は世界の行く末を見届けるために仲間達と旅にでたところだった…はずだった。
スネーク「そして俺の身体はいったい…。」
彼が不思議がるのも無理はない。
なぜなら彼は最強の兵士BIGBOSSのクローンのため、その遺伝子をばらまかないために生殖機能は奪われ、寿命はわざと短く設定されており、昨日までの自分はあと数ヶ月で寿命を迎えてしまう身体だったのだ。
ところが、今の彼の姿は20代後半から30代前半といったところだった。
スネーク「オレは…若返ったのか?」
思わず自分の身体を確かめるように触り、そして
ギュッ
自分の身体を抱きしめた。
スネーク「若い…若いぞ。ハハッ、若返ったんだ!」
何故若返ったのかはわからなかったが、とりあえずとても喜んでいた。
無理もないだろう。
その短く設定された寿命ゆえ数年で一気に老化が進み、残された寿命が少なかった彼にとってこれほど嬉しいことはなかった。
そして少しした後…スネークは今の状況を思い出した。
スネーク「そうだ、オタコンやサニーはどこへ…ん?この格好は…。」
スネークはやっと自分の服装に気づいた。よほど自分は浮かれていたのだろう、先程までの自分が恥ずかしくなり、スネークはため息をついた。
なんと、つい先日まで自分が着用し任務をこなしていたスニーキングスーツ、オクトカムを着ていたのである。
スネーク「何故かはわからんが、現状がわからない今、この装備はありがたい。」
スネークは近くにバックパックが落ちているのを見つけ、中身を確認するとMk.22とM1911A1と弾薬、さらにサバイバルナイフが入っていた。
スネーク「まずは現状の確認が第一優先だな。」
スネークは移動を開始した。
とりあえずどちらに行っていいのかわからないため、腕時計を使い方角を調べ、北に向かっていくことにした。
スネーク「しかし一体ここはどこなんだ。」
しばらく行くと村があった。
スネークは慎重に近づきながらも疑問に思っていた。
スネーク(人気が無い…。誰もいないのか?)
スネークは一番手前にある民家に入っていった。
民家の中は特に大した変化は見られず、まるでさっきまで人がいたような雰囲気まで出していた。
スネーク(とりあえず誰もいないなら使えそうな物を貰っていくか。)
そうしてスネークは家の中をあさり始めた。
スネーク(おっ、これはつかえそうだ。貰っていくか。)
一時間後…。
スネークは食料と薬品、治療用の道具とその他必要になりそうな物を手に入れた(盗んだ)。
スネーク「さて、違うところに行くか。」
と、そのとき
パリーンッ
窓ガラスが弾けるように割れた。
スネーク「何!!銃撃か!?」
スネークはその場に伏せて、歩腹前進で窓際まで行き、外の様子をうかがった。
すると
???「何やってんだ!誰かに当たったりしたらどうするつもりだ!!」
???「ごめん、安全装置が外れてて…。やっぱり僕には銃は向いてないみたいだ。」
???「何いってるんだ。そんなこと言ってまたさっきの奴らが来たらどうするつもりだ。」
外で騒いでる二人組の声を聞いたスネークは驚いた。
スネーク「この声、オタコンか!」
スネークは家から出るとこちらに背中を向けて立っているオタコンの方へ歩いていった。
オタコン「民家の窓は壊しちゃったけど人はいなかったみたいだね。良かった、人に当たらなくて。」
スネーク「いいや、危うくオレに当たるところだったぞ、オタコン。」
突然後ろから話しかけられ驚きながらオタコンが振り向くと、そこには呆れたような顔をしたスネークが立っていた。
オタコン「スネーク!一体こんなところで何を…っていうか君…。」
スネーク「あぁ、この姿か?何故かはわからんが若返ったんだ。」
オタコン「そんな!!信じられない。君、ほんとにスネークかい?」
スネーク「何を馬鹿な事をいってるんだ。俺は俺だ。で、そっちの男は?」
オタコン「えっ、あぁ。わからないのも無理はないか。…実は彼も君と同じで若返った人なんだよ。信じられないことにね。」
???「スネーク、俺…いや、私がわからんのか?」
スネーク「…まさか、あんた…。」
オタコン「そう、彼は……
キャンベルだ。」