MGS小説

□act.2 「恐るべき子ども達」
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スネーク「キャンベルだと!?」

キャンベル「やっとわかったか。」

スネーク「いや、しかし…あのキャンベルだよな?」

スネークはよほど驚いたのか、信じられないといった様子で何度も確認する。

キャンベル「お前は上司の顔を忘れるのか。」

それを聞いたスネークは、

スネーク「大佐、随分と顔が変わるんだな。年とは恐ろしいものだ。」

キャンベル「良い意味で捉えておくよ、…しかし身体が若返って懐かしいことを思い出したよ。」

キャンベルが遠くを見ながら喋っているのを聞きながら、スネークはオタコンに耳打ちをした。

スネーク「変わったのは顔だけではなさそうだ。」

オタコン「身体が若くなって精神面も若くなったらしいんだ、一人称も変わってるしね。」

そんなスネークには気付かずにキャンベルは話を続けた。

キャンベル「そうだな、あれはもう40年以上前の話か。俺はアメリカのグリーンベレーに所属していた。あの時調査でサンヒエロニモ半島に来ていた俺はFOXに…。」

スネーク「懐かしんでるところ悪いんだが大佐。」

キャンベルは話の腰を折られて不機嫌になりながらも、なんだよ?と答えた。

スネーク「さっき<奴ら>って言ってたが、誰か他にいるのか?あと、何で俺達はここにいるんだ。」

キャンベル「何故俺達がここにいるのかはわからん、ただわかっているのは…。」

スネーク「わかっているのは?」

そこで先程から黙っていたオタコンが口を開いた。

オタコン「あの男が…リキッドが…いたんだ…。」

スネーク「なんだと!?オタコン!そりゃ一体どういうことだ!!」

スネークはオタコンに食いかかりながら言った。

オタコン「スネーク落ち着いて、僕達も何がどうなってるかさっぱりなんだ。」

スネーク「これが落ち着いていられるか!リキッドが…リキッドオセロットが生きているだと!?」

キャンベル「いや、正確には俺達が見たのはリキッドオセロットじゃない。」

その言葉にスネークは訳がわからないといった顔でどういう意味だ?と聞いた。

キャンベル「俺達が見たのは正真正銘のリキッド、…リキッド<スネーク>だ。」

スネーク「!?」

スネークは目を見開いて驚いた。

それもそのはず、リキッドスネークはスネークが数年前にシャドーモセスで倒したはずだった。

スネーク「ますます状況がわからなくなってきたぞ。…オタコン、お前達が襲われたのはリキッドの私兵にか?」

オタコン「ああ、そうだよ。」

スネークは頭が痛そうな仕草をした後、ため息をつきながら言った。

スネーク「…何なんだ、ここは。まさかソリダスが蘇ってるなんて事はないだろうな。」

オタコンがその言葉を聞いて笑いながら、それはないよと言おうとしたとき、

???「呼んだかな!?兄弟!!」

キャンベル「!、誰だ!!」

スネークは声のした方を見たとき、悪い方が良く当たる自分の勘を呪った。

スネーク「ソリダス…。」

オタコン「そんな…。」

ソリダスと呼ばれた男はスネーク達の反応を見て嬉しそうに笑いながら言った。

ソリダス「会いたかったぞ、ソリッドスネーク。」

スネーク「悪いが俺は会いたくなかったぞ、ソリダス。」

スネークは即座にM1911A1を構え、警戒しながら言った。

ソリダス「そう警戒するな、今は戦うつもりはない。」

スネークは訝しげな顔をしながら、どういう事だ?と聞いた。

ソリダス「ソリッド、お前はまだわかっていないだろう?…ここがどういう場所なのか。」

スネーク「そういうお前はわかっているのか?今の状況が。」

ソリダスの言葉に驚きつつも、スネークはそう返した。

ソリダス「わかっていなかったらそんな事はいわない。教えてほしいか?」

スネーク「…。」

スネークは無言で銃を構え続けた。それを見たソリダスは笑いながら、良いだろうと言った。

ソリダス「いいか、この島に名前はない。だが通称<人の想いが募る島>と呼ばれている。知っているのはほんの一部の人間だけたがな。」

スネーク「…人の想いが募る島だと?」

ソリダス「そうだ。人の想い、特に悲しみ、後悔、未練などの想いが具現化して出来たのがこの島だ。」

スネーク「…ならば何故俺はここにいる?未練や後悔を残した覚えは無い。」

ソリダスは馬鹿にしたようにスネークを見ながら言った。

ソリダス「たとえ貴様に未練がなくても、誰かの未練の中に貴様がいたとしたら。」

スネーク「なるほど、俺は誰かの未練になっているということか。」

ソリダス「人の想いというものは強大な力だ。お前のように人を若返らせたり、私のように人を生き返させる事も出来る。
人の想いには誰も勝つことは出来ない。
たとえあの…愛国者でもな。」

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