MGS小説

□act.5 「始まりの男」
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港付近





スネーク「…潮の香りがする、大分港に近づいてきたみたいだな。」

スネークは荷台で武器の清掃をしながら言った。

キャンベル「いやあ、それにしても腹が減った。スネーク、帰りに魚捕ってきてくれよ。」

スネークは武器を組みたてながら

スネーク「遊びにいくんじゃないんだ。食いたきゃ自分で捕ってこい。」

と言った。

エヴァ「でも確かにちょっとお腹がすいたわね。即席ラーメンが食べたいわ。」

オタコン「そうだね。港に食料もあるかもしれない。スネーク、それも確認してきてくれよ。」

スネークは頭痛そうにしながらやれやれといったように頭を横に振った。











スネーク「それじゃ、行ってくる。」

エヴァ「行ってらっしゃい、気をつけてね。」

スネークは今まで無かった送り出しの言葉に感動しつつも港の倉庫に向かって歩き出した。





倉庫





ギイィィィィ

スネークが扉を開けると結構大きな音がしたのでスネークは警戒しながら中を覗き込んだ。

しかし…

スネーク(何もない?)

倉庫の中は多少の何かの機材があるだけで後はもぬけの空だった。

スネーク「! これは…。」

スネークが気づいたのは倉庫の床。
コンクリートの床が何かでえぐられたような溝が平行に二本あった。

溝といってもかなりの太さと大きさである。

スネーク「ドリルのようなものでえぐられたようだな。一体なぜ…。」

その溝は今は閉じている巨大なシャッターの外に続いているようだった。

とりあえずスネークはオタコンにこの事を無線で伝えた後、トラックに戻ることにした。

スネーク「せっかく来たんだ、海を眺めながら一服するか。」

最近はどんどん喫煙者の肩身が狭くなっているため、たまには思いっきり煙草を吸いたいと思い、スネークはトラックに戻る前に海の方へ歩いていった。






スネーク「ん?」

スネークは海岸に誰か居ることに気づいた。

なにやら一人で何かしているらしい。

スネーク「なんだ?少し近付いてみるか。」

スネークが隠れながら近くまで行くと、そいつが何をしているのかわかった。

スネーク(…釣りか?そしてあいつはまさか…)

その釣りをしている男の格好になんとなく見覚えがあったスネークは男に気づかれぬよう足音を殺しながら近づいていった。

そしてあと10mくらいのところで男は突然喋り出した。
???「不思議だ、この緊張感。

餌釣りじゃ到底味わえない。

ルアーフィッシングが、こんなにも息吹きを!!」

スネークが唖然としながら見ていると更に男に動きがあった。

???「…来たな。

山猫は獲物を逃さない…。

オレのリロールはレボリューションだ!!」

と言ってものすごい速さでリールを巻いている。

スネークはそれを開いた口が塞がらない状態で呆然として見ていた。

何故呆然としているのか?

それはあまりにも自分が知っている男とかけ離れているからである。

だんだんスネークは違う人なんじゃないかと考え始めた。

その時、

???「釣れた!!

ふふん、初めて魚を釣って分かった。

…悪くない、最高の表現法だ!」

と言って釣った魚を見ながら「良い…サカナだ」とか言っている。

スネーク「あ"〜。」

スネークが気まずそうに声を出すと男はやっとスネークに気づいた。

???「!! お前は!」

男は魚を落としてしまった。









???「スネーク!!」

スネーク「そういうお前はオセロットか?」

???「そう、オレは…」

そこで一回くるりと回って

オセロット「オセロット少佐だ」

と言った。

スネークは訝しげな顔をしながら頭大丈夫か?と聞いた。

オセロット「失礼な! オレは至って正気だ。」

正気であんなことを言っていたならやはり頭は大丈夫ではないだろう。

スネーク「で、オセロットは何故ここにいるんだ?」

するとオセロットは遠い目をしながら言った。

オセロット「オセロットは気高い生き物だ。

本来群れを成すことはない。」

スネーク「わけがわからん。」

オセロット「うるさい!!いつの間にかここに居て途方にくれてたんだ。
悪いか!」

スネーク「…これで愛国者は二人目か。」

とスネークは溜め息をつきながら言った。

オセロット「愛国者だと!?スネーク、オレの他に誰がいるというんだ?」

スネーク「エヴァだ。エヴァが俺達のトラックにいる。」

するとオセロットは少し考える仕草をしてから言った。

オセロット「ならばスネーク、エヴァに伝えろ。

オレは知恵の林檎を探すと。

…また会おう!!」

そう言うとオセロットは走り出した。

…魚を拾って。

スネーク「待て! どういう意味だ!!」

スネークが叫んだ時にはもうオセロットの背中は小さくなっていた。

スネークは溜め息をつくと二度目の台詞を言った。

スネーク「わけがわからん。」

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